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テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、主な住居をカリフォルニア州からテキサス州に移したようである。これによって、米国で最も裕福な3人──マスク、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ──が、そろって所得税ゼロの州に住んでいることになった。

推定で1400億ドル(約14兆6000億円)近くの資産を保有するマスクは、新型コロナウイルス対策の制限措置をめぐってカリフォルニア州当局と衝突し、テスラの工場再開が認められないと、5月にはアラメダ郡を相手取って訴訟を起こしたほか、会社を州外に移すとも警告していた。

ベゾス(推定保有資産1833億ドル)とゲイツ(同1187億ドル)は、ともに自社の発祥地であるワシントン州に自宅がある。米国には連邦所得税と州の所得税があるが、州の所得税を徴収していない州も9州あり、テキサス州とワシントン州もそれに含まれる。

米国でこうした所得税回避地に転居した富豪は枚挙にいとまがない。ドナルド・トランプ大統領も2019年10月、長年暮らしてきたマンハッタンのトランプタワーから、フロリダ州に正式な居住地を移している。

2009年に同じくニューヨーク州からフロリダ州に居住地を移したペイチェックスの創業者、トム・ゴリサーノは、転居しただけで「1日あたり1万3800ドル」節税できていると明かしている。

フロリダ州には投資家のカール・アイカーンやポール・シンガーも居を移している。フォーブスは、アイカーンが現在、マイアミ近郊のプライベートアイランド、インディアン・クリーク島に居住していることを確認した。ジャレド・クシュナーとイヴァンカ・トランプ夫妻も最近、同島の一区画を3000万ドルで購入したと伝えられる。

一方、富豪に「脱出」された側の州は、痛い税収減になる場合もある。たとえばヘッジファンドマネジャーのデヴィッド・テッパーが2016年、ニュージャージーからフロリダ州に転居した際、ニュージャージー州は数億ドルの税収を失ったとみられ、税収見通しの下方修正を余儀なくされている。

ヘッジファンドマネジャーのジョン・アーノルドは別の懸念として、キャピタルゲイン税率が13.3%と全米一高いカリフォルニア州では、マスクのような高所得者がより税率の低い州に転居すると決めるだけで、その税率は無意味なものになってしまう点を指摘している。

アーノルドも、マスクの転居先であるテキサス州に住んでおり、州の所得税は払っていない。

編集=江戸伸禎

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