建機・産業機器レンタル大手の同社は、モルガン・スタンレーが10月に推奨した38社のひとつだ。ユナイテッドは、ITテクノロジーによる価値を創出する前途有望な企業だと、アナリストたちは考えている。おそらくそのとおりだろう。
それは、この企業の株価が今まさに劇的に上昇しようとしている理由だ。
機器レンタルはほとんどの場合、デジタル変革について考える投資家が真っ先に思い浮かべるものではないかもしれない。しかしすべての企業は、データ解析と、洪水のように流れ込むデジタル情報にもとづく新モデルへと移行しつつある。ユナイテッドは単に、この業界で真っ先に動いた最大手企業だったというだけのことだ。機器所有をやめる企業が増えているのに伴って、機器レンタルビジネスは爆発的に成長しようとしている。
世界的な企業経営コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニ―のアナリストたちは、この種のデジタル変革が、2025年までに3兆7000億ドルの価値を創出する可能性があると考えている。
この予想が現実になるかどうかについては、簡単にわかる。クラウドコンピューティングプロバイダーやサービスとしてのソフトウェア(SaaS)を提供する企業が、データ処理や重要なソフトウェアの世界に創造的破壊をもたらしたのと同じように、ユナイテッドは重機の所有という従来のモデルを破壊しようとしているのだ。
ユナイテッドは、産業、商業、住宅建設といった分野の企業が使用する大型機器をレンタルしている。ブルドーザー、掘削機、タワークレーン、地ならし機、ダンプカーなどの重機は、購入、維持管理、保険、作業現場間での移動などに高額な費用がかかる。しかも、そうした機器は必ずしも毎日使用するわけではないことも、さらに所有コストを高くしている。
だが、コネチカット州スタンフォードを拠点とするユナイテッドと簡単な契約を交わせば、それらすべてを簡略化できる。
作業員は、必要になったときに、必要な期間だけ、よくメンテナンスされた機器を使用できる。こうした「コストの区画化」は、単なる会計上のトリックではない。データストレージとコンピューター処理をアマゾンからレンタルすれば、データセンターの建設や維持のコストが不要になるのと同じように、企業をスリム化することで、景気循環にビジネスを左右される企業の効率を劇的に改善することができる。
だが、ユナイテッドの株価が今後数年で高騰しそうな理由は、それだけではない。先見的なほかの企業と同じく、ユナイテッドの経営者たちも、早いうちから最新鋭のITテクノロジーに投資し、競合企業を飲みこんで圧倒的な規模に成長してきた。