ビジネス

2020.11.15 06:00

建機レンタル大手企業、デジタル化で企業価値が急上昇


ユナイテッドは、米国とカナダの1169拠点に、総勢64万台の機器からなる大部隊を配備している。また、最新鋭のテレマティクス・システムにより、細心の注意を払って在庫状況を管理している。

そして、同社のクラウドベースの機器管理ツールである「トータルコントロール」システムでは、顧客がマウスクリック数回で簡単に機器情報にアクセスし、レンタルすることができる。このシステムは完全にデジタル化されており、オンデマンドで24時間、年中無休で利用可能だ。

顧客である購買マネージャーは、レンタルを先送りもしくは前倒しした場合の見積もりに役立つベンチマークを得ることさえできる。レンタル時期のそうした変更は、1日あたり数千ドルの節約につながる可能性がある。

2019年に93億5000万ドルの売上を計上したユナイテッドは、いまや世界最大の機器レンタル会社になっている。また、きわめて大きな利益もあげている。2019年の利鞘は46.6%で、43億6000万ドルの利益と多額のフリーキャッシュフローにつながった。

売上わずか6000万ドルだった2007年の新規株式公開時とは大違いだ。

ユナイテッドの経営者たちは過去20年のあいだ、成長プランを忠実に守ってきた。279件の買収を実施し、基本的には地域の小規模なレンタル会社をより大きなユナイテッドのネットワークに組み込むことで、そうした買収をすぐに拡大につなげた。

ユナイテッドは、次第に圧倒的な規模を築き始めた。機器の購入価格の交渉を有利に進めることで、競合相手よりもレンタル価格を下げた。そして、バックエンドソフトウェアシステムに関する総合的なアプローチも、コスト管理に貢献している。

これは、モルガン・スタンレーが指摘している重要ポイントのひとつだ。

モルガン・スタンレーのアナリストらは、「ITテクノロジーの価値とは何か:データ時代の株式2.0入門」と題した10月22日の顧客向け情報のなかで、従来のテック系株と、市場のそのほかの株との評価ギャップの縮小に貢献すると見られる、重要な先端的ITテクノロジーをもつ企業38社を挙げた。

これらの企業はすでに、ほかの企業に比べて利益率が高く、予想利益に対して高いマルチプル(1.7倍)で取引されており、より多くの資金を資本支出にまわしている。

モルガンのアナリストらの予測によれば、投資家たちがそうした新興のITテクノロジー/産業/小売ハイブリッドへ資金を動かし始めていることから、ユナイテッドをはじめとするそうした企業は、最終的には市場の5倍で評価されるだろうという。

ユナイテッド株は現在、予想株価収益率11.2倍、株価売上高倍率1.4倍で取引されているが、同社の株価は急激な上昇の目前にある。売上の成長だけを根拠にして考えても、今後12カ月で270ドルに達する可能性もある。これは、現在の水準からすると45%の上昇にあたる。

市場が短期的に軟調になったときには、投資家はユナイテッド株の購入を検討するべきだろう。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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