妻はもはや諦めの境地!? 「家事分担」を求めなくなった夫婦
・家事による疲弊度は、緊急事態宣言発令期間中と2019年の調査との比較で、男性はダウンし女性はアップ
昨年とコロナ中の肉体的・精神的な疲労度の変化を見ると、昨年は仕事で疲れている人のほうが多く見受けられた。女性はコロナ中に家事への疲労度がアップしており、夫婦ともに在宅時間が長くなっても“妻の負担減”にはつながらない様子が垣間見える。
・「共働きなら家事分担すべき」と考える人が減少。男性は17.2ポイントも下落
緊急事態宣言発令をはじめとするコロナ禍を経験した後の今回の調査では、「共働きなら家事も夫婦で分担するべき」と考えている人が昨年の調査に比べ大きく減った。男性は「分担するべきと思う」人が75.6%から58.4%と17.2ポイントも減少。
女性は12.8ポイント落ちており、「以前よりも家事の負担が増えているけれど、パートナーに期待するよりも自分でやってしまったほうが早い」と諦めの境地に達してしまった、すなわち“諦め妻”が増えているのかもしれない。
・コロナ禍がきっかけ? 夫婦間のいさかいは昨年に比べ約半減
不思議なことに、妻への家事負担が増えているにも関わらず、夫婦げんかや「夫婦共疲れ」による夫婦間トラブルは減っていることがわかった。
互いに在宅勤務へと環境が変わっても、家事に対する意識や行動が変わらない夫。そんな夫への不満はあるものの、世界規模でドラスティックに変化している現状では、揉めるよりも出来る範囲で協力し合ったほうがいいと割り切り、吹っ切れた人が少なくないのかもしれない。
「しない家事」へシフトしたい諦め妻たち
・家事代行や家事をシェアできる家電に興味がある・取り入れてみたい女性は昨年より増加し、しない家事ニーズは過去3年でピークに!
在宅時間が増えたことで、仕事の合間やちょっとしたすき間時間に家事をこなす妻の、エニタイムな家事の負担が増えている現実。家事代行や家電をうまく使うことで、自分の手を煩わさずに家事を済ませられ、家事の質も上がる。
女性たちからは、そんな「しない家事」へのポジティブな意見が高まっており、あらゆるツールを駆使して家事への負担、労力を減らしたいというニーズが高まっていることがわかった。これは過去3年間の調査でも最高の数値だ。
思うように家事分担するのが難しいのであれば、気兼ねなく使える手段をうまく活用したい妻。「自分も家事をやっているつもり」、
「ツールに頼らなくても十分自分たちでこなせる」という夫の勘違いやすれ違いに悩む女性が多いのではないか。
・一方、男性はいずれも減少傾向。在宅時間が増えたことで、仕事の合間やちょっとしたすき間時間に家事をこなす、妻のエニタイムな家事の負担が増えている実態に気づかず、量が増えても自分達で出来るだろうと甘く見積もっている家事=「夫の“知らぬ家事”」がたくさんあるのかも?
便利なツールへのポジティブな感情に、なぜ男女差が生まれるのだろうか。
ひとつには、在宅期間中に普段より多くの家事を担ったことが自信につながり、妻にどれだけの負担増加が生まれているかを想像せず「夫婦だけでも十分に回していける」と結論づけてしまった可能性が考えられる。
在宅期間中、困ったときはまず母親に声をかける子どもたち。声をかけられたりトラブルが発生すると対応せざるを得ない母親。
ちょっとしたすき間時間に手の届くところを掃除したり、消耗品を補充したり、断続的に家事をこなす女性とそれに気が付かない男性。こういったところにも、家事に対する意識の差があるのかもしれない。