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地域経済とソーシャルイノベーション

スマート農業を取り入れ、注目される猪俣太一

ビジネスチャンスを見出し「農業」という選択肢をとる若者が増えている。農林水産省『平成29年新規就農者調査』によると2014年から2017年まで、49才以下の新規就農人数が毎年2万人を超えている。

その1つの要因がスマートフォンの普及だ。JAや市場を介さずに独自ブランドをたちあげて、数クリックで商品を出品し収入を得ることができるようになった。もう1つが終身雇用制度の崩壊。かつては大学を卒業したら、大企業に働くことが一般的だった。しかし、今や選択肢は多様化し、大企業で働くだけではなく、起業したり、海外留学をしたり選択肢の幅が広がってきている。農業を選ぶ人も増えてきた。

その一人が猪俣太一だ。宮崎県できゅうり農家として働きながら、テクノロジーを駆使してスマート農業を目指す。その投資額は、1000万円以上。そんな猪俣の活動をみて、地元テレビ局の取材や全国各地からの視察も増えている。いまでは国のスマート農業実証実験にも地域のリーダーとして参画している。

スマート農業の先駆者として注目される猪俣に農業ビジネスの未来を聞いた。

頑張った分だけ稼げる。農業にのめり込んでいった


猪俣は宮崎県出身の農家。宮崎県内の高校を卒業後、教師になることを目指して山梨大学教育学部に進学。しかし、実家のきゅうりを山梨県の居酒屋の店主に食べてもらった時「おいしい」という反応に感動。大学の授業より、農業に興味を持つようになった。大学を中退し、農家になるために宮崎に戻る。


Photo by Yuta Nakayama

「自然は、わかりやすい。頑張れば頑張った分だけ応えてくれる。何もせずに放置しているとハウスは荒れるけれど、妻を含めて一緒に作業をする仲間が増えると綺麗になってくる。きゅうりハウス全体が自分の今の心の状態を表す鏡のようです」

せっかく農業で起業するならとりあえず年収1000万は欲しいという漠然とした目標があった。徐々に農業の魅力にはまっていき、新しい技術を取り入れることや活用することにより面白さを見出した。

最初は食っていくための農業、稼ぐための農業だったが、猪俣は農業そのものの魅力にのめり込んでいった。

文=齋藤潤一 写真= Yuta Nakayama

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