社会課題を解決するオーガニックの秘密

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緊急事態宣言が解除されて1カ月で、東京を中心に再び感染者数が急増している。専門家の中には、この秋以降、新型コロナは強毒化して再到来すると指摘する声もある。国立感染症研究所によると、過去に日本でも猛威を振るったスペイン風邪の第2波の致死率は第1波の10倍だったという。そんななか、世界で注目を集めつつあるのがオーガニック食品だ。

コロナ禍で売上を伸ばすオーガニック業界


有機食品を販売する小売業界は新型コロナの影響を受けて売上を伸ばしており、世界では、売上高が25%〜100%増にもなるという報告がある。

米国では、世界最大の自然食品小売業者ホールフーズ・マーケットが、需要の伸びがあまりに急激すぎるため、この4月にオンライン上での購入制限を開始。その頃、イギリスでは、有機農産物の宅配を行うアベル&コール社の販売注文が25%増、フランスの有機食品小売店では売上40%増を記録するところもあった。

欧米だけではない。インドの有機食品小売業者アイセイオーガニックでは、オンラインショップを始めると売上が100%増加。日本でも、有機食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地の株価がこの2月から上昇し続け、7月現在で倍近くに跳ね上がっている。

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ホールフーズ・マーケット(Getty Images)

オーガニックに特化したグローバルマーケティング調査を行う英Ecovia Intelligence社は、オーガニック小売業界の売上増は今後も継続すると見ている。今回のパンデミックにより、全世界的に健康志向が高まっているためだ。

過去にも、感染症の流行がきっかけとなって、オーガニック食品市場は急成長を遂げてきた。2000年、欧州でBSE騒動(狂牛病)が起きると、ヨーロッパの有機食品市場の成長が加速。2004年には、中国や周辺国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行し、アジア各地で有機食品に対する需要が急増した。

エビデンスに見るオーガニックのチカラ


感染症が流行すると、なぜオーガニックブームが起きるのだろうか。日本では、オーガニックはなんとなく健康にいいというイメージは浸透しているものの、その実態はまだよく知られていない。

世界最大の有機食品市場を誇るのは米国とEUだ。両地域を合わせると世界全体の80%を超える巨大市場になる。この地域で過去20年の間によく見られるようになったのが、オーガニック食品の効果・効能を示す学術的根拠である。中でもコロナ禍で特に注目されているのが、「免疫力向上」「基礎疾患予防」という健康メリットだ。

文=レムケなつこ

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