オーガニックの世界的統一定義としてよく引き合いに出されるのが、「有機農業の原理」だ。これは、オーガニックセクターの国連と呼ばれる国際機関IFOAM(国際有機農業運動連盟)が、オーガニックが依拠すべき基本法則として2005年に策定した。
その中でIFOAMは健康について言及し、「人と地球の健康は、別々に分けては考えられない」と主張する。
人の健康は、私たちの食料である植物や動物の健康のもとに成り立っている。その動植物が健康に育つには、健康な土や水などの自然環境があってのこと。つまり、「環境」をも含めた私たちの周りのものすべてが健康でなければ、私たち人類の健康は成り立たない、という考え方がそこにある。
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この観点から有機農業では、人・動植物・地球の健康を害する危惧のある化学肥料、農薬、動物用薬品、食品添加物、遺伝子組み換え技術の使用はできる限り避けるというのが方針になってきた。
地球上の生きとし生けるものすべてを健康にするオーガニックは、感染症という地球規模の課題に優れたレジリエンスをもたらす。新たなウイルスと共に生きていかねばならない新時代において益々不可欠な要素となっていくだろう。
連載:社会課題を解決するオーガニックの秘密
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