ビジネス

2020.07.19 08:00

職場での平等、経済の原動力に AIも貢献の可能性


AIが不平等を明らかに


「人工知能(AI)が労働市場を破壊する」という話がさまざまなところで語られていることを考えると、AIがむしろ平等性を原動力とした経済成長に寄与するかもしれないという考えは合点がいかないかもしれない。

ランカスター、エクセター、アルバータの英加3大学のチームによる新プロジェクトでは、そうした考えを立証しようとしている。同プロジェクトの目的は、AIを使って採用やネットワーキング(人脈作り)などでの無意識のバイアス(偏向)を明らかにすることだ。

チームは、複数の業界パートナーと協力し、採用・求人プラットフォームのデータを分析することで、人事プロセス内に存在する性や人種のバイアスをより深く理解することを目指している。最終的な目標は、得られた見識を基に、AIを基盤としたバイアス緩和・解決ツールを開発することだ。

「私たちは、採用や求人、仕事上の交流の際に性や人種のバイアスにより引き起こされる労働市場の不平等に対処する必要がある」とチームは述べている。「不平等により、社会の全集団の間での平等で持続可能な社会経済的発展が阻害される。採用プロセスがこうした問題の発端となることも多い」

AIシステム自体にバイアスを定着させる問題が起きていたことを考えると、逆にAIにより労働市場でのバイアスが緩和できれば素晴らしい転換となることは間違いない。それによるメリットは明らかであり、課題は社会全体で既に起きている変革にテクノロジーが貢献できるかどうかになるだろう。

編集=遠藤宗生

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