フォーブス ジャパン編集部 エディター

独立系ベンチャーキャピタル「ANRI」のアソシエイト 江原ニーナ

起業家が思い描く“不確実だが大きな可能性のある未来”を誰よりも先に信じ、投資やメンタリングを通じて支援する──そんなベンチャーキャピタリストの仕事に憧れを抱き、知識も経験もゼロの状態ながら、自らの手でキャリアを切り拓いていった女性がいる。

その女性は、独立系ベンチャーキャピタル「ANRI」のアソシエイト、江原ニーナだ。年齢は23歳。最年少の女性キャピタリストとして、主にシード期のC向けサービスへの投資を担当。これまでに数社のスタートアップに投資を実行している。

女性の数が圧倒的に少ない。そう言われることの多いベンチャーキャピタル(VC)業界において、江原はまさに異色の存在。現在、彼女は即決投資プログラム「ソクダン」の責任者を務めているが、実は「大学1年生の冬までスタートアップのことは何一つとして知らなかった」という。そんな江原が、なぜベンチャーキャピタリストの道を志すようになったのか。また「ベンチャーキャピタリストや起業家は年齢、性別が偏りすぎてしまっているからこそ、もっと多様性が必要」と説く、彼女の考えについて話を聞いた。

偶然、参加したイベントで「VCの存在」を知る


「大学に入ったばかりの頃は野球部のマネージャーをやっていて。当時、スタートアップや起業家とは無縁の生活を送っていました。また企業の合同説明会にも足を運んでいましたが、興味を持った企業は大手の消費材メーカーやお菓子メーカーでした」(江原)

今から約3年前。スタートアップ、起業家について無知だった時を、江原はこう振り返る。中学を卒業した後、15歳で渡米。高校・大学の計4年間をアメリカ・ノースカロライナ州で過ごし、帰国後は一橋大学社会学部に入学。哲学・倫理を専攻し、現在はテクノロジーと人間の関わりを中心に研究している江原だが、当時は自分がキャピタリストとして働くことになるとは想像もしていなかった、という。

江原ニーナ 野球部マネージャー
野球部のマネージャーだった時代

そんな江原がスタートアップや起業家のことを知るきっかけとなったのが、グロービス経営大学院が主催する大学生・大学院生を対象としたイベント「G1カレッジ(現在は休止中)」だ。どんな内容のイベントかも知らなかったが、運営に携わっていた知り合いから「もし良ければ、イベントにおいでよ」と声をかけてもらい、右も左もわからぬまま応募してみたところ、審査に通過し、イベントに参加することになった。

「G1カレッジにはスタートアップを経営している起業家や、スタートアップでインターンしている人、VCでインターンしている人が一定数参加していて、イベントを通じてスタートアップ界隈の横のゆるい繋がりができましたね。また、VCの仕事に関しては、これは全くの偶然なのですが、さまざまなセッションがある中、私はグロービス・キャピタル・パートナーズの高宮慎一さんが登壇するセッションに参加したんです。そこで世の中にVCという仕事があるということを初めて知って。振り返ってみて、大学1年の冬にG1カレッジに参加したことは、すごく大きな出来事だったなと思います」(江原)

文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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