「国内No.1の挑戦者エコシステム」をつくる
「孤独・退屈・不安」という課題に関しては、新型コロナウイルスの感染拡⼤によって、より一層問題視されるようになっている。そうした状況の中、溝口は「挑戦する、または挑戦に関わる人を増やすことで『孤独・退屈・不安』は解消される」と考えている。
実際、⽇本には挑戦する⼈、挑戦に関わる⼈が少なく、欧⽶と⽐べた場合の起業率は約半分にとどまる。また挑戦するハードルも⾼く、特に資⾦面については、アメリカはGDP⽐で⽇本の4倍だが、スタートアップ企業への投資額でみると37倍もの差がある。
「僕自身、『マスクを医療従事者に』というクラウドファンディングのプロジェクトを通して、改めて挑戦、そして挑戦に関わる人を増やす大事さを学びました。僕は旗を振っただけですが、この挑戦に関わった人たちはきっとプロジェクト期間中は孤独や退屈、不安からは無縁だったのではないかなと思うんです。
だからこそ、緊急事態宣言の間に名称を変えて、“挑戦者”をつけました。挑戦をする人を増やしたいし、挑戦に関わる人も増やしたい。すべての人々が挑戦する、または挑戦に関わるようになったら世の中に大きなインパクトを残せると思います」(溝口)
夢や志が社会に向く挑戦者や挑戦に関わる⼈を増やし、資⾦的にも⼈材的にもノウハウ的にも体系的にしっかりサポートする。また⾃らも挑戦者となり、「国内No.1の挑戦者エコシステム」をつくる──そこを目指し、WEIN 挑戦者FUNDは歩みを進めていく。
今回のファンド設立に際し、3人は最後にこう抱負を語ってくれた。
「僕はWEIN 挑戦者FUNDを⽇本を代表する企業を輩出するファンドにしたいですし、『社会をよくしたい』と思う起業家に集まってもらい、21世紀の課題解決に挑んでいきたいと思っています。僕は遠隔での関わりになるので、個⼈のファンドであるKsk Angel Fundで学んだことを活かしながら、さまざまなオファーを受けたり、情報発信したりするといった方面で⼒を発揮していくつもりです」(本田)
「私はデジタルトランスフォーメーションが今後のイノベーションとセットだと思っています。失われた30年を取り戻すにはデジタルトランスフォーメーションしかない。それをより多くのスタートアップ、ひいてはスタートアップと協業したいと思っている大企業、両者の融合は自分の会社だけではできない。そんな大きな挑戦を、WEIN 挑戦者FUNDでやってみたいですし、やっていきたいと思っています」(高岡)
「僕は自分の人生を誰よりもリスクテイクしてきた自負もあるので、その意味で果敢にリスクに挑む人たちの気持ちに寄り添える自信もあります。だからこそ、夢が自分を超えて社会に向いている起業家のことは同志だと思っているし、加勢していきたいと思っているんですね。汗も涙もともにしたい。本気だからこそ起業家の夢や志に、時に起業家よりも本気になりたいと思っています。ただ、隣にいて生優しく『がんばれ』というのではなく、一緒に頭下げる必要があれば下げるし、乗り越えない壁があるなら乗り越えたい。そんな気概でWEIN 挑戦者FUNDに取り組んでいきます」(溝口)