「LOVE POCKET FUND」が、主に「生きにくさ」を抱えている女性や子ども、地方創生に関わる支援を目指していた矢先に、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大。急遽立ち上がったこのプロジェクトは、どのような思いで形になったのか。そして、今後の社会をどう変えていく可能性があるだろうか。
日本財団と、「自身の仕事や日々の暮らしも変わった」という新しい地図に話を聞いた。
2016年12月、「SMAP」解散を経て、17年9月に結成された「新しい地図」。
メンバーの稲垣、草彅、香取は以前と変わらず個人としての芸能活動も継続してきたが、結成当時からグループとして進めてきた活動として、多方面にわたる「サポート」がある。
17年には日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーターに、18年には国際パラリンピック委員会特別親善大使に就任。19年11月には、日本全国に傷跡を残した台風19号、21号の被害者、被害地域への支援金を募る「ななにー基金」を設立した。
「ファンの皆さんや、周りの方たちのサポートが自分たちの大きな力になりました。 その時に実感した感謝の気持ちを何かの形にしてお役に立つことができれば」
「新しい地図」からは、これまでのサポート活動の動機について、このような説明があった。
「ファンの皆さんへの感謝」を言葉にする人は多いが、それを寄付という形にしている存在はまだ少ない。
芸能人の寄付を「売名行為」だと感じる人もまだ多くいる日本で、感謝の気持ちを、基金の設立や寄付という形で継続してきた「新しい地図」の行動は、いずれさらに大きな動きに変わる可能性もあるのではないだろうか。
新型コロナウイルス対策のための支援策を検討中
新しい地図は「LOVE POCKET FUND」の発足と同時に3000万円を寄付。これまで集まった支援金額は、主に新型コロナウイルスに係わる「子どもの支援」と「医療関係者、ボランティア支援」にあてられる。
現在日本財団は、医療崩壊を防ぐため、主に軽症患者用の緊急病床設立をお台場「船の科学館」で進めている。
この施設が活用される際に発生する医師や看護師、配膳・清掃などを行うボランティアスタッフの活動支援、また、医療従事者が現場に行くために、家庭に残される子どもたちの食事のサービスや預り支援、昼夜休みなく医療現場で奮闘する医療従事者を応援する事業もいくつか検討中だという。