ビジネス

2020.05.28 09:00

本田圭佑、高岡浩三、溝口勇児──異色の3人が、新たなファンドを立ち上げたワケ


3月にネスレ日本の社長を退任以降、高岡は数年前に設立した「ケイ アンド カンパニー」でB2C企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を中心とするコンサルティング活動を手がけている。そうした中、「WEIN 挑戦者FUND」に参画した理由をこう語る。

「これまでの経験から、⽇本のイノベーション推進においてスタートアップの役割が極めて重要である、と思っています。そうした中、退任のタイミングで溝⼝さんから要請を受け、⽇本のイノベーションを加速させるためにWEIN挑戦者FUNDに参画しました。

このファンドが面白いと思ったのは、単に投資目的でお金を集めてスタートアップに資金を投入するのではなく、『ヒト・モノ・カネ』を投入してスタートアップの支援や大企業との共同事業に取り組む、ということです。

日本でもっとイノベーションを盛んに起こしていくためには、スタートアップがIPO(株式上場)を狙うよりも、大企業とスタートアップが一緒になって大きなことに取り組んだ方がいいと思っています。でも大企業側にイノベーションの目利きがなく、スタートアップも経営力やマーケティング力がついていないから、これまでにコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)がいくつも立ち上がりましたが、うまくいかずに終わってしまう。その両者の橋渡し役が私、ひいてはWEIN 挑戦者FUNDなら担える。またそれが自分のやりたいことでもあるので、参加することを決めました」(高岡)

WEIN 挑戦者FUNDは投資だけでなく、スタートアップに不⾜しがちな⼈的リソースや、成⻑資⾦戦略、マーケティングなどの体系的なノウハウをスタートアップに提供する。さらには大企業に対して、「イノベーションに対する⽬利き⼒」や「⼈的リソースおよびノウハウ」を提供することで、ウェルビーイングの領域で⼤企業がイノベーションを起こし、またスタートアップの成⻑を加速させる共同事業の展開に取り組んでいく。

スタートアップへの投資に関して、本田は2016年にKSK Angel Fundを立ち上げ、これまでに50社以上のスタートアップに投資している。WEIN 挑戦者FUNDに参画することで、今後KSK Angel Fundはどうなるのか──。
次ページ > 今までの投資活動にはジレンマがあった

文=新國翔大

ForbesBrandVoice

人気記事