ビジネス

2020.05.28 09:00

本田圭佑、高岡浩三、溝口勇児──異色の3人が、新たなファンドを立ち上げたワケ


今までの投資活動にはジレンマがあった


「メインファンドをWEIN 挑戦者FUNDに切り替える。そんなイメージです。Ksk Angel Fundにくる投資案件の全てを、今後はWEIN 挑戦者FUNDを通じて投資します」(本田)

また、本田によればWEIN 挑戦者FUNDで溝口、高岡と一緒になったことで、「投資家としての幅が広がっていく」と考えているという。

「この4年ほどで⽇⽶あわせて50社くらい投資してきましたが、もっともっと挑戦者をサポートできるんじゃないか、という思いもありました。ただ、サッカーもやりながら、しっかりコミットすることができない。そんなジレンマも抱えていました。

ただ今回、溝⼝さん、⾼岡さんと⼀緒に⾏うことで、組織的、体系的にスタートアップをサポートできるようになる。投資した後もコミットし続けるという強みが出せるようになる、と思っています。投資してからのサポートの仕方は、僕が投資家として学んでいきたい部分でもあったので、WEIN 挑戦者FUNDが僕自身も挑戦者として成長できるプロジェクトになれば、と思っています。ワクワク感でいっぱいですね」(本田)

投資家としての経験を持つ本田、起業家としての経験を持つ溝口、そして大企業でイノベーションを起こしてきた経験を持つ高岡。それぞれバックグラウンドが異なる3人だからこそ、投資、事業の創造、⼤企業やスタートアップとの共同事業に取り組める。



「大企業の社長は若いスタートアップの人たちを下に見るようなところがありますし、若い起業家大企業の社長を全く別世界の人類だと思っている節がある。僕はそういう壁を取り払いたい、と思っています。両者が歩み寄らないと、日本のスタートアップの成功確率も上がらないですし、大企業のイノベーションも促進できない。

アメリカではスタートアップ企業の80%は大企業にM&Aされていて、IPOはたった20%。でも日本は逆です。私はWEIN 挑戦者FUNDによって、日本におけるM&Aの比率を上げていくことでオープン・イノベーションが促進されていく、と思っています」(高岡)
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文=新國翔大

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