新型iPad Proハンズオン。「PCの代わり」になり得るか?

最新のA12Z Bionicチップを搭載するiPad Pro 12.9インチをレビューする。

3月25日、アップルが最新のiPad Proを発売する──。

同デバイスは「A12Z Bionic」チップとダブルレンズカメラが搭載されているのが特徴だ。今回は発売前に12.9インチのiPad Pro、Cellular+Wi-Fiモデルを試す機会を得たので、同日に公開される最新のiPadOS 13.4の新機能とともにハンズオンレビューをお届けする。

高い処理性能を支える新チップ「A12Z Bionic」


新しいiPad Proは2018年秋に発売された第3世代のiPad Proから外観を大きく変えていない。四隅をラウンドさせたフルスクリーンデザインの画面には液晶方式のLiquid Retinaディスプレイを採用。画面を描画する際のリフレッシュレート(1秒間に画面を描き直す頻度)を120Hzに高める「ProMotionテクノロジー」により、動きの多い映像は残像を抑えながら滑らかに表示する。

モバイルゲームコンテンツを楽しむ際に操作性が高まることを実感できるだろう。600nitsの最大輝度を実現したディスプレイに明るく色鮮やかな表示ができるのもiPad Proの特長だ。

本体背面のメインカメラシステムが10メガピクセルの超広角レンズを加えたダブルレンズ仕様になり、明るさを上げたTure Toneフラッシュと新機能のLiDARスキャナを同じスクウェア形状のユニットに組み込んだ。本体の色味や厚さ方向のサイズも5.9mmと第3世代のiPad Proと変わらないため、カメラユニットの形を確かめない限り、すぐに見分けは付かない。


背面にはダブルレンズカメラとLiDARスキャナ、明るくなったTrue Toneフラッシュを搭載するカメラユニットを配置。カラーバリエーションはスペースグレイとシルバーの2色展開になる。

アップル独自開発のチップはA12X BionicからA12Z Bionicにアップグレードされている。デバイス上での機械学習に関連する処理を受け持つNeural Engineと、組み込み型M12コプロセッサーにより複雑な演算処理を素速くこなす。

iPad単体で使った場合の内蔵バッテリーのスタミナは、インターネットブラウジングやビデオ再生の連続利用がWi-Fiネットワークで約10時間、セルラー通信で約9時間が目安とされており、処理性能を高めながら第3世代のiPad Proと同等の性能を獲得している。充電端子は最新のMacBookと同じUSB-Cになる。


本体の厚さは5.9mmと前世代のモデルから変わっていない。充電/データ同期用の端子はUSB Type-C。側面に4基のスピーカーを搭載する。
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文・写真=山本敦

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