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2020.03.23

新型コロナの影響を受けた「Apple Card」利用者に、GSが救済策

Eui Jong Kim / Shutterstock.com

新型コロナウイルスの感染拡大で先が見えない状況が続くなか、「アップルカード(Apple Card)」の利用者には、不安を和らげてくれる知らせが届いた。

3月第2週の週末にかけて、アメリカの掲示板サイト「Reddit」では、あるメールのスクリーンショットが相次いで掲載された。それは、アップルと、同社クレジットカードの発行元であるゴールドマン・サックス(Goldman Sachs:GS)からカード保有者に送られてきた、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応に関するメールだった。

このメールには、カード利用料金の支払いに関して支援を必要とする顧客に対して、同カードの「顧客支援プログラム」に登録するよう促す文面が含まれている。このプログラムを申し込んだ利用者は、追加の金利を負担せずに、3月分の支払いを翌月に持ち越すことができる。

ゴールドマン・サックスは、顧客向けとは別のフォーブスへ宛てたメールで、この支援プログラムの存在を認めた。

フォーブス宛てのメールには、「当社の顧客は、さまざまな面で不安を抱えている可能性があり、我々としては差し迫った支払いについては不安を感じて欲しくないと考えた」と書かれている。ゴールドマン・サックスはさらに、この救済策は同社とアップルの共同での取り組みだが、アップルカードの発行元であることから、支援プログラムの費用は同社が負担すると説明した。

アップルカード保有者が顧客支援プログラムに登録するには、送られてきたメールの「参加」ボタンをタップし、表示されたチャットで、ゴールドマン・サックスのスタッフと、プログラム登録に関するやりとりを行うことになる。登録が済むと、「数日中」に確認のメールが送られてくるという。

ゴールドマン・サックスは3月15日夜の時点で、「数万人規模の顧客がこのプログラムを活用している」と述べた。

多くの業界が、急速に変化する状況への対応策を打ち出している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により影響を受けた消費者に救済策を提供する動きも、その延長線上にあるものだ。すでに複数の銀行が、このパンデミックで経済的に苦しい状況にある顧客を支援する計画を発表している。具体的には、譲渡性預金(CD)の期日前解約手数料の免除や、ローン返済期限の繰り延べなどがある。

今回の顧客支援プログラムに登録した利用者が留意すべき点として、このプログラムで支払いを翌月に持ち越しても、クレジットスコアは影響を受けない点がある。銀行やクレジットカードの発行元はこれまでも、ハリケーンなどの自然災害の被害を受けた顧客に対して、一時的な救済措置を提供した実績がある。

今回先送りした支払いは、延滞とはカウントされない。だが、3月分の支払いを先送りするには、利用者が自分から申請手続きを行い、プログラムに登録する必要がある。手続きを行わなかった場合は、通常通り3月分の支払いを行う義務がある。金利が発生した場合には、それも自己負担となる。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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