──実際にヴィーガンになって変わったことはありますか?
まったくないですね。特に痩せたとか感覚が冴えるようになったなどもないです。よく性格が穏やかになるなんて言われますが、あれもプラシーボ効果ですね、多分(笑)。
しいて言えば、クリエイティビティは少し上がったような感覚はあります。例えば料理をするにしても、乳製品や卵を使わないので、その代わりにさまざまな食材を試してもようということになります。豆乳でカルボナーラを参考にパスタソースを作ってみたり、カシューナッツのミルクでホワイトソースを作ってみたり。
ファッションにしてもレザー製品は持たないので、じゃあ代わりにこんな選択肢が考えられるなとか、さまざまなシーンで今まで考えなかったようなことを考えなければならない。縛りが生まれたことで結果的にたくさん思考することになるので、思考力やクリエイティビティは鍛えられるのではないかと感じています。
──普段の食事はどうされていますか? 家族もみんなヴィーガンですか?
基本的には和定食みたいな感じで、特別なことは何もないです。ご飯、みそ汁、野菜炒めとかシンプルなものが多いです。たまにカルボナーラっぽいスパゲティやお好み焼きなどを乳製品を使わず作ってみたり。家族はヴィーガンじゃないですが、ちゃんとまわっています。
動物性のものを僕だけが食べないというくらいで、人付き合いも変わりませんし、皆さんの想像以上に普通に暮らせています。よくヴィーガンの人っていろいろなことを我慢しているんじゃないかと言われますが、僕に関してはまったくそんなことはなくて。ヴィーガンのものが単純に美味しく楽しいと思うから実践しているだけです。
フェミニズム表現するためスタッフは全員女性。LGBTを受け入れる多様性も。
──ヴィーガンの他に注目しているものはありますか?
自然栽培の食材だけを使ったチョコレートです。少し前に「UFO・宇宙人&自然栽培フェスティバル」というイベントに参加したんです。UFOや宇宙人の話と自然栽培を結びつけたカオスなイベントなんですが、そこで石川県の高野さんや奇跡のりんごの木村秋則さん、オカルトファン必読の「月刊ムー」編集長の三上さんなどと話す機会があり、皆さん本気で地球を救おうと活動していることに驚きました。
それが正解か本当のことはわかりませんが、宇宙レベルで見ると、地球はいま最悪の状態にあるので、自然栽培から生態系に働きかけて本来的な在り方にしていこう、それが地球に住んでいる自分たちの責任だ、というわけです。普段僕はあまり感動することがないのですが、その“本気”に心から感動しました。
そのご縁から、今度僕らの主催する食のイベント「新世界『食』紀行」に高野さんがゲストで登壇してくれることになりました。月刊ムーとのコラボプロジェクトも進めています。