彼が手がける「Girls Don’t Cry」の商品発売日には、約800人のファンがショップの前に行列を作り、今年8月には、「UNIQLO UT」とのコラボが大きな話題を呼んだ。
VERDYのアイテムに宿る吸引力は、どう生まれているのか。
LAのロング・ビーチで11月2日と3日に開催されたストリートカルチャーの祭典「コンプレックスコン」で話を聞いた。
僕が手がける商品のために、多くの人が行列を作ってくれるのは、とてもありがたいことです。でも一方で、そろそろ展開の仕方を考え直す時期かなとも感じています。
これまでは、アイテムにプリントするグラフィックや、どんなカタログを作ったらよくなるだろうということを中心に考えてきました。
アイテムやルックブックなどの撮影を、プロジェクトの立ち上げ当初からLAで行なっているので、中にはLAのブランドだと思っていたお客さんもいたみたいですね。日本では、やっぱり海外限定のものって人気なんです。そんな背景も僕のアイテムが好まれる理由の一つなのかもしれません。
これ以上の行列はいらない
こうやって毎回行列ができて、お客さんがどうしても欲しい商品が買えない状態って、どうなんだろうと思っていたんです。
僕もストリート・カルチャーが昔から大好きで、欲しいスニーカーが発売された時に、行列に並んだこともあります。
もちろん、行列ができることがブランディングという視点では必要になることもありますが、欲しいものが買えなかった人の気持ちがよくわかるんです。
同じストリートカルチャーのブランドでも、こうした混乱を避けるために、事前抽選制など、販売システムを整備することで無駄な行列を作らないようにしているブランドも出てきました。
そんな流れを感じて、「UNIQLO UT」とのコラボ商品は、オンラインで大量の在庫を用意しました。初めての試みでしたが、欲しいものが買えなくてストレスを感じる人の数は減ったはずです。