ファッションの次は? グラフィックアーティスト「VERDY」の今後の展望

守屋 美佳

「Girls Don’t Cry」は、自分の人生を振り返ったときに、僕の奥さんがとても大切な存在だと感じた時に生まれたものです。

彼女にはいつでも笑顔でいて欲しいという想いから生まれたこのメッセージが生まれました。

Girl’s Don’t Cry
verdy Instagramより

デザインが一つできると、僕は周囲の人にまず感想を求めるのですが「普通のもの」を見せても、だいたいの人は「いいね」と言ってくれるのですが、奥さんに普通のものを見せると「これ、かっこいいの?」と毎回シビアな意見をくれる。仕事面でも頼りにしている存在なんです。

「Girls Don’t Cry」のアイテムは、大切な女性へのメッセージとして身につけることもできるし、女性なら「私は泣かない」という意思表示の形にもなるかもしれません。

iPadの「感情フォルダ」

僕の物作りにおいて、その時々に何を感じたかという感情は、一番重要な要素です。

だから、何に面白いと思ったか、嬉しいことでも悲しいことでも、忘れたくない気持ちが芽生えたら、いつも持ち歩いているiPadにある「感情フォルダ」にメモをすることを習慣づけています。

最近もっとも強い感情を抱いたのは、10月に2日間開催した「VERDY HARAJUKU DAY」のことでした。NIGOさんがディレクションを務める「HUMAN MADE」や「Levi’s」など、約30のブランドとコラボをして、各ショップでアイテムを展開しました。

1年ほど前に、何から始めればいいのかわからない状態でスタートしたものを形にできた感動は大きかったですね。

同時に、予想もできなかったトラブルもあった。アメリカのブランドのチームと動くことも多かったのですが、文化の違いを少なからず障害に感じることもありました。

あの時期に感じた全ての感情は、まだ自分の中で一つの言葉になっていなくて。だから、それがある一つの言葉に行き着いた時が、また新しいグラフィックが生まれる瞬間だと思っています。
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写真=Kouichi Nakazawa(ZENI.LLC) 構成=守屋美佳

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