世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

芸人 ブルゾンちえみ

インタビュー中、突然、ブルゾンちえみは立ち上がると、「私、ノート、取ってきていいですか」と言って、事務所の応接室を出ていった。

戻ってきた彼女がテーブルの上にどすんと置いたのは、分厚いノート2冊。表紙をめくると、雑誌の切り抜きがびっしりと貼られている。孫正義やマーク・ザッカーバーグら経営者の言葉や記事が並び、1枚ページをめくると、今度は手書きのメモが所狭しと書かれている。

どこかで見た文字やイラスト……と思ったら、多くは本誌Forbes JAPANの切り抜きだ。ブルゾンちえみが本誌の熱心な読者で定期購読者であることは、彼女自身がインスタグラムで度々紹介しているので知られている。が、ノートに貼って、何に使うのか?

ブルゾンが持ち歩くノートは2種類あるという。まず、日記。中学2年から毎日、その日に自分が抱いた感情や考えを思い浮かぶままに書き綴っている。去年からは「10年間日記」をつけ始めて今も継続中だ。もうひとつは、雑誌のスクラップブック。気になった単語や名言を見つけては丁寧に切り抜き、整理してノートに貼り付けている。これもほぼ毎日の習慣として続けているという。

この「マイ・ノート」と芸人としてのブレイクの間には、何らかの因果関係はあるのか。

現在は芸人としてだけでなくレポーターや女優など活動の幅を広げ、7月25日から始まった舞台「フローズン・ビーチ」では舞台女優としてもデビューしている。本誌の創刊5周年を記念して、愛読者のブルゾンちえみに、「日々の記録」の理由を聞いてみると──。


言葉で過去を反芻し、他者と比較をする

人々の悩みを紐解くことがネタに


本や雑誌で「いいな!」と思っても、どこに書いてあったか忘れたり、廃品回収に出したりしていて、すぐに見つかりません。切り抜きをするのは、私が「いい!」と思った言葉にすぐにたどり着くためです。だから、その都度、切り抜いています。

例えば、このイラスト「カテドラル効果」って書いてありますよね(2018年9月号「連載:電通BチームのNEW CONCEPT採集」)。読んでいて、「ああ、そうか!」と思いました。

私は「朝カフェ」をするとき、無意識に天井の高いところを選ぶと清々しい気持ちになるなと思っていたんです。すると、記事には「カテドラル(大聖堂)効果」といって、人間は天井の高い空間にいると抽象的な思考が促進されると説明されています。このコラムは面白く、薬の代わりに「体験」を処方することによって、自分の状態を変えようという話の事例として「カテドラル効果」という体験が紹介されていました。

このように私が活字を読むのは、普段なんとなく思っていることをすでに先人たちが気づいていて言語化してくれているからだと思うんです。

文=石原龍太郎 写真=伊藤 圭

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