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総合ファッションアパレル企業の三陽商会は4月、地球環境に配慮した事業活動に注力し、プラスチック等の削減に取り組むと発表した。

売上高世界第2位の衣料品小売企業であるH&Mグループ傘下のH&Mジャパンも、ビニール製のショッパーを廃止。順次紙袋に切り替え、紙袋が必要な場合は有料にて販売している。

矢野経済研究所の調査結果によれば、世界各国でプラスチック規制の動きが強くなり、代替素材として紙にシフトしているという。

ジャンボジェット5万機相当のプラスチックゴミが海に流れている

ビニール袋などのプラスチックの使用には、どんな問題があるのだろうか。

WWFジャパンによると、海に流入したプラスチックゴミが自然分解されるまでには数十年以上の時間を要する。そして、世界の海にはプラスチックゴミがなんと1億5000万トンも、すでに流入してしまったのだという。そこへさらに「使い捨て」にされ、きちんと処理されないプラスチックゴミのうち、少なくとも年間800万トン(ジャンボジェット機5万機相当)が新たに流入している。

また、ナショナルジオグラフィックの2018年12月26日公開の記事「リサイクルは1割弱 ごみのまま処分されるプラ」によれば、プラスチックが自然分解されるには400年かかるとのこと。さらにプラスチックゴミのリサイクル率は10%を下回ると考えられている。

現在、自然分解のキャパシティを超えるほど甚大な量のプラスチックが海に流れ着いているのだ。河川などから海に流れ込むゴミは増加の一途をたどり、海上汚染や自然の生態系への影響が懸念されている。

プラスチック削減の手段とは

環境省はプラスチック廃棄物の削減を目的に、プラスチック3R(リデュース、リユース、リサイクル)を促進する戦略の素案を2018年10月19日に提示した。

「プラスチック資源循環戦略(素案)」によると、2030年までに日本の使い捨てプラスチックの排出量を25%抑制することを目標にしている。国内のプラスチック廃棄物は年間940万トンと推定されているので、そのうち235万トンの削減を目指すということになる。

フランスでは2016年7月にプラスチック製の袋が有償・無償問わず禁止され、英国や香港などでは無償配布が禁止されている。遅ればせながら、最近になり日本でもレジ袋を有料化するなど、抜本的な改革によって消費者の意識を変える必要性が議論され始めている。


東京都廃棄物審議会 プラスチック部会(第1回)より

文=森屋千絵

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