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BalkansCat / Shutterstock.com

ファストファッション大手、H&Mが混乱している。カール・ヨハン・パーソン最高経営責任者(CEO)は直近の決算結果について、「実店舗に弱みがある。オンラインでの売り上げが伸びる一方、実店舗の来店客数は減少している」と述べた。

同CEOによれば、品揃えと商品の構成に関するバランスの悪さも、業績に悪影響を与えたという。だが、消費者は投資家やアナリストたちとは異なり、ブランドの財務状況にそれほど関心を持たない。彼らは街中やショッピングモールにあるH&Mで、実際にその混乱ぶりを目にしている。人気を誇ったブランドを低迷させたのは、そうした消費者の目だ。

業績不振から抜け出すためには、H&Mは最も重要な顧客たちがそれを実際に体験する実店舗で、混乱を解消しなければならない。ちなみに、筆者は米国以外のH&Mの店舗に入ったことがないため、この記事は米国内での人気失速についての話になる。

独創性のないファッション

簡単に言えば、H&Mは供給過多だ。さらに、ファッションに独創性がない。オンライン販売への移行が遅れた同社はその挽回に努めているが、つまらないファッションでもオンラインならよく売れるというわけではない。

経営コンサルティング会社ATカーニーのパートナー、マイケル・ダートは、「消費者はH&Mについて、競合他社に比べれば流行のブランドというわけでもなく、これといった特徴もないと思っている」と話す。

「(競合するザラとは異なり)、H&Mのサプライチェーンは動きが遅い。短期間で変化する消費者の好みや、消費者市場で進む商品カテゴリーの細分化にも、迅速に対応することができずにきた。その結果、H&Mは値引きやプロモーションばかりを行い、消費者に刺激を与えることがなくなった。これは、企業を業績低迷に向かわせるための処方箋だ」

「乱雑」な店内

売れ残る商品があれば、店舗はそれらにも対応しなくてはならない。だが、元小売企業幹部のある女性は、H&Mで買い物をしようとしたときのことについて、次のように語る。

「何でもオンラインで購入するが、衣類は店舗で買いたがる22歳(まさにミレニアル世代だ)の息子とH&Mに買い物に行った。だが、私たちは店内に入り、数秒後には外に出た」「息子は、あんなにゴチャゴチャした店内では絶対に買い物などできない、と言っていた。他の客が触った商品があちこちに散乱していた」

この女性は、販売方法やカスタマーサービスにも、問題があると感じたという。親子がその代わりに買い物をした店は、ユニクロだった。店内で目にしたのは、「清潔な店内、適切な販売方法(適切な照明も重要だろう)、有能なスタッフ、そしてシンプルで仕立ての良いベーシックな商品」だったという。

「羞恥心をあおる」サイズ

英女性誌「ルック(Look)」は、学生にH&Mで試着をしてもらい、サイズを検証する記事を掲載した。この学生のサイズは英国の「12」(米国では「8」)。だが、H&Mでは「16」のワンピースが小さすぎて着ることができなかった。

サイズはブランドによって異なり、ちょうど良いものを見つけるのが難しいことは誰でも知っている。だが、サイズを2つも3つも上げなければならないH&Mでは、自分に合うものを見つけることは余計に難しい。

肥満の人が増加する中、ファッション業界では実際のサイズより小さいサイズを表示する「バニティ・サイジング」が広まっている。H&Mはこの流れに逆行しており、普通サイズの少女たちにも、「自分は太っている」と感じさせている。

編集=木内涼子

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