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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

Twin Design / Shutterstock.com

グーグルは先週、「Inbox」と「Google+」の提供を終了した。いずれも一度は大きな期待をかけられていた製品だが、提供終了によりグーグル製品が眠る巨大な墓場に加わることとなった。

グーグルが葬り去ってきたアプリケーションやサービス、ハードウエアは158に上る。これは創業20年余りの企業にしては悪い数字ではないが、筆者のような古い人間は、何の合理的な説明もなしにただサービス終了を発表するグーグルのやり方にうんざりしている。

グーグルの掲げるイノベーションの9つの基本方針の中に、『出荷と繰り返し』と、『上手に失敗せよ』がある。前者は製品を素早く開発し、必要に応じて試作品として市場に出し、ユーザーからのフィードバックを基に改善すること、後者は期待外れの製品の終了を、汚点としてではなく誇りとしてとらえることだ。

同社はこれらの基本方針によって、目覚ましいスピードでイノベーションを生み出す「アイデア工場」としての地位を築いた。だが一方で、同社製品の多くに時間と労力を費やしてきたユーザーを組織的に失望させ、「代替製品は自分で見つけてください」との態度をとってきた。

このようなアプローチは、グーグルの評判にどれほどの影響を与えるだろうか?上手に失敗するのは結構だが、ユーザーを突き放すことは、どんな企業であっても良い評判にはつながらない。

ユーザーの多くは、ある製品を利用しようと決めると、時間と労力をかけてその使い方を習得し、時には開発企業に対して改善のためのフィードバックもする。またその製品の伝道者となって、使い勝手について友人らに教えたり、ネットに投稿したりもする。

製品に信頼を置くようになれば、個人的な思い入れが増し、製品を日々の生活や仕事に組み込み、その中にものを保管したり、他のユーザーとのコミュニケーションに利用したりするようになる。

しかしそれも最終的には全て消えてしまう。ユーザーが多くの時間や労力を費やしたのにもかかわらず、企業の「春の大掃除」によって製品の終了が決まる。ユーザー側は、果たしてグーグルによる次のイノベーションを試す価値があるのかと疑問に思うようになる。

編集=遠藤宗生

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