ビジネス

2019.04.10 17:00

グーグルのイノベーション戦略が抱える問題点


筆者は、新しい製品やサービスを試すことに躊躇(ちゅうちょ)しない方だ。むしろ変化や実験に夢中になるタイプで、今使っているツールに満足していたとしても新しいツールを試さずにはいられない。そんな私でも、グーグルのイノベーション戦略には業を煮やしており、時には侮辱的だとさえも感じる。

しかしグーグルは意に介さない。新しい製品をリリースするたびに、使ってみたいという人々が列をなすことがわかっているのだ。それでも、グーグルがそうしているうちに度を越してしまう恐れはある。

失敗に対する恐怖を軽減することは、あらゆるイノベーション戦略において重要な要素であり、変化の速い業界や、マーケットリーダーとしてトレンドを作り出す立場にいる場合は特に重要だ。しかしバランスも重要であり、グーグルのような企業は、新たなイノベーションを打ち出しても、数年後に突然終了するかもしれないとの懸念から人々が利用を躊躇し始める恐れがある。

上手に失敗することは大切だが、ユーザーのことを考えず、自社製品に興味を持ってくれた人々を大切にせずに見捨ててはいけない。そうすれば、最終的にはユーザーの方から見限られる危険性があるのだ。

編集=遠藤宗生

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