金融女子コスプレイヤーから見た「世界」

Atsuko Sakai -Hikari Green-

筆者の最初のキャリアは、国内大手生保での機関投資家(ファンドマネジャー)だった。

本当であれば、社会人1年目から単身で海外に出て起業したかったが、家庭の事情もあり、就職することにした。今思えば、自分にとって良いキャリアスタートだった。

生命保険業界の方ならご存知だろうが、大半の生命保険会社には、本配属前に「保険の販売実習」なるものがある。

中でも、本配属前の段階で各営業所に新人が配属され、営業所単位でのノルマ達成度合によって成績を競う「営業所実習」について書きたい。

私が入社した年、在籍していた営業所は実習で管轄エリア内トップの成績となった。

この営業所実習で得た経験は、私がアパレルのアルバイトで全国2位の販売実績を達成したことや、コスプレイヤーとして海外進出した時の経験に共通する、私なりの「法則」があった。

それらの経験に共通することは、「楽しみながら成果を出す」ことだ。その法則を紐解いてみたい。

1. 自分を無理に良く見せようとしない

私が配属された営業所のスタッフは、ほとんどが人生経験を相当程度以上重ねた女性であった。

無知な私は初日から「挨拶する順番が違う!」とべテランの営業スタッフに言われた。そこには非常に複雑なパワーバランスがあった。

でも、そこであえて媚びたり自分を良く見せたりしようとはせず、あくまで自然体で打ち解けるようにした。

そのスタッフさんも私も同じ人間ではあるが、それ以外の点では皆それぞれ全く違う。何かの物差しで一義的に描写できるものはない。

そう思うと、無理に人に合わせる必要もないと感じるようにもなった。

2. どの人にも同等に、線を引かずに尊重する

お礼を必ず言う、誰にも分け隔てなく同じように接する──これは、誰でも出来る基本的な所作ではあるが、非常に大事なものだと感じた。

スタッフさんがノルマを出した日は、必ず成績を出してくれた本人に話しかけ、お礼をした。

また、毎朝「他社と自社の保険商品の違い」という勉強会を企画し、ノート2冊分になるほど研究し尽くした、各社商品の違いを網羅した独自プリントを作った。

勉強会に来られなかった人には手書きの内容を添えて後からプリントを手渡し、成績や年齢等で対応を変えることはしなかった。

仕事の後に勉強会のプリントを作っていたら、帰りが遅くなる日も多かったが、そんな私を見てスタッフさんたちは「遅くまで働いて大丈夫?」「入院している親が心配するよ」と優しく声をかけてくれていた。

ある日、ノルマが出ず成績が伸び悩んだ時に「私がふがいないせいです」と朝礼で頭を下げたことがあった。

驚いたことに、そんな私をフォローしてくれたのは、初日に「話しかける順番が違う!」と言ってきたベテランのスタッフさんだった。彼女は営業所の全員を鼓舞し、全員が一気にトップに躍り出る成績を叩き出した。

「あなたが遅くまで一生懸命頑張ってるからね、ビックリさせようとみんなで頑張ったのよ」と言われた時は、涙が出そうだった。

見ていないようで、フェアな形で私を見てくれていたんだと感じた瞬間。同時に、周囲のおかげで自分が成り立っているとも学んだ。

文=Atsuko Sakai -Hikari Green-

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