また、すでにユースケースがある程度あるため、コミュニティ単位でのスマートホーム導入に適しているのもアメリカの利点だ。
停電が起きた時にはどこまでの範囲で電気が止まっているのかをシェアして助け合えるようにする、住民の車両ナンバーをあらかじめ共有し、不明なナンバーの車がいた場合に情報を拡散するなど、街全体を一つのレイヤーと考えることで可能になることはたくさんある。
「中国などが顕著ですが、これまでのスマートシティは街を『管理』するというイメージが強かった。コミュニティの特性を生かし、住民目線で利便性を高めることができればと思っています」(本間)
一方、ソニーなどの大手企業が参入を示すものの、スマートホームは日本ではなかなか浸透しない。「スマートホームが今後、あなたの人生に明確な影響を与えると思うか?」という質問に「はい」と答えた割合は、中国の75%、アメリカの51%に対して、日本はわずか19%だったという調査結果もある。
現状は日本での活動は予定していないが、将来的にはアメリカでのスマートホームの知見を日本に持ち込む可能性は十分にあるという。
大規模な事業だが、これまで楽天の三木谷浩史や、メルカリの山田進太郎、GREEの田中良和、B DASH VENTURESなどから総額12億円を調達。山田とは大学時代の知り合いでもあり、ノールック投資に踏み切ってくれたのだという。
また、今後は日本で投資ファンドからの資金調達の計画も予定しているという。アメリカの高金利な銀行に借りるよりも低金利で、なおかつ日本にもリターンができるほか、HOMMAが規模を拡大するほど、出資する各社の商品をアメリカで活用できるのもメリットだ。
まだまだ日本では定着しない感のあるスマートホーム。だが、シリコンバレーでいち早く新たな暮らしをつくる住宅を支えるのは、日本の技術かもしれない。