ただ、この結果の背景にあったのは、両党の支持者の投票に対する「熱意」の違いだ。その後の世論調査では、中間選挙が「非常に重要だ」と考える人の割合にはほぼ差がなくなっている。
この変化をもたらしたのは、トランプが連邦最高裁の判事に指名したブレット・カバノーの承認を巡る両党の攻防戦だ。カバノーが議会の承認を得た後、共和党の下院議員選挙を管理する全国共和党選挙運動委員会への寄付金は、大幅に増加している。
4. ウィスコンシン州
2020年の大統領選で、中西部ウィスコンシン州で民主党が2016年の選挙のときのように“居眠り”をすることなく戦い、それでもトランプが再び勝利したとすれば、それは同州のスコット・ウォーカー知事おかげということになるのかもしれない。
今回の中間選挙での共和党の勝利は、2020年のトランプ再選に向けての地固めになると考えられるためだ。2014年のウォーカー知事の再選が、2016年のトランプの勝利をより容易なものにしたのと同じだ。
今年9月半ばの世論調査では、同州では共和党の支持者より無党派が多くなっていた。また、支持率では民主党の候補、トニー・エバースがウォーカーを20ポイント上回っていた。だが、最近ではその差は5ポイントにまで縮まっている。
同州でウォーカーの支持率が高まっている要因の一つは、エバースが州内にある刑務所の収容人数の削減を訴えていることだ。知事は選挙用広告の中で、「レイプや暴行、強盗、さらには誘拐などの罪に問われる凶悪犯」を増やすことになると主張。一方のエバースは、そうした見方を否定している。