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トランプ大統領(Photo by Hannah Foslien / Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は先ごろ、中国からの輸入品に新たに10%の関税をかける追加の制裁措置を発動した。貿易政策に関して両国が年内に合意に至らなければ、来年から税率を25%に引き上げる。

注目すべき点は、トランプがスマートフォンをはじめとする電化製品を対象から除外していることだ。米国の消費者に及ぶ影響を全く無視しているわけではないことを示している。

中国が貿易に関するルールを悪用しているというトランプの主張には同意できる。中国に進出する外国企業に対し、知的財産権を取得している技術の開示を要求する同国のやり方は常軌を逸しており、それはやめさせなければならない。問題は、それをどうやって実現するかだ。

愚かな外交政策?

トランプは中国の政策で損害を被っている世界の主要経済国と共同戦線を張り、全ての人々のために態度を変えるべきだと中国に要求することもできた。そうすれば、カナダやメキシコ、欧州連合(EU)をはじめとする各国との関係をより良いものにすることができただろう。だが、トランプはそうする代わりに、同盟国と米国を敵対させた。

交渉するということは、現実的な要求をするということでもある。敵に対して自らに不利な行動に要求しても、受け入れられるはずがない。中国共産党を率い、同国経済の指揮を執る習近平国家主席が、態度を変えることはないだろう。中国はハイテク産業戦略「中国製造2025」の下でいくつかの目標を掲げているが、それらを断念することはあり得ない(ほかの国でも、それは同じだ)。

危険な賭け

長期的にみれば、トランプは非常に危険な賭けをしている。国際貿易は、“配管の施工”のようなものだ。モノやカネはパイプを通って流れ、各国がやり取りできるのは、そのパイプを通せるものだけだ。

米国が中国から品物を輸入することは、米国が中国にドルを輸出することでもある。米ドルが貿易決済通貨として使用されているからだ。そして、米国が輸入量を減らすことは同時に、ドルの輸出量を減らすことでもある。米国が“食物連鎖の頂点”にいる現在の立場を維持しようとするなら、ドルの輸出量が減ることは全く良いことではない。

編集=木内涼子

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