1. スウィフト効果
米国の人気歌手テイラー・スウィフトはどの程度、有権者の考えを変えたのだろうか?これまで政治的発言をしたことがなかったスウィフトは先ごろ、地元テネシー州の民主党候補に投票する意向を表明。自らのファンにも、「投票に行こう」と呼び掛けている。
ただし、問題はこの発言がどのような人に影響を及ぼすかということだ。与党共和党のマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事は、「スウィフトのステージを見るためにスタジアムやアリーナに押し寄せる10代の若者(13歳の少女たち)だけ」と述べている。仮にそうだとすれば、共和党が選挙結果への影響を恐れる必要はないということになる。
スウィフトのファンが特に多いのは、西部から中西部の地方部だ。共和党支持者が多いこの「レッド・ステート(赤い州)」で、彼女は民主党の上院議員候補として出馬するつもりがあるのだろうか?
2. ハリケーン・ポリティクス
フロリダ州北西部パンハンドル地域は、大型ハリケーン「マイケル」の直撃を受けた。人々が文字通り生き残るために闘っているようなとき、政治は取るに足りない問題のように思われるかもしれない。だが、それでも「マイケル」には政治的な側面がある。
フロリダ州の上院選の共和党候補であるリック・スコット知事は、ハリケーンへの対応は「政治問題ではない」と断言したが、防災対策や災害後の救助活動は州政府トップの“成否” を左右する問題だ。
「マイケル」上陸の前日、同州の民主党議員らは連邦裁判所に対し、有権者登録の締切日の延期を求めて申し立てを行った。嵐は過ぎ去ったが、フロリダ州ではあと1か月、党派間の争いが続くことになる。
3. 熱意の差
投票日までおよそ1か月となった10月11日、米CNNテレビが発表した最新の世論調査では、共和党が大きな打撃を受ける可能性が示された。
「今日が投票日なら、民主・共和いずれの党に投票するか」という質問に対し、民主党とした人が54%だったのに対し、共和党と答えた人は41%。12年前の中間選挙以来、最も大きな差をつけて民主党がリードする結果となった。