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働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

Yuganov Konstantin / shutterstock

今年インターネットでトレンドとなったワードといえば、「呪い」だったなと思います。

例えば、大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)で独身のアラフィフ・キャリアウーマンを演じた石田ゆり子さんのセリフは、毎回ツイッターで話題となりました。特に支持されたのが、「自分に呪いをかけないで」というセリフ。これは、ある若い女性に対して、“若いうちから、「若さこそ美」という呪いにかかることは、未来の自分を攻撃していることにもなる。そうなる前に、そんな呪いから逃げてしまえ”という意図を持って投げかけられた言葉です。

『逃げ恥』は、様々な“呪い”を解いていくドラマとして、視聴者の共感を呼びました。それ以来、“呪いを解く”というような言い方を、ネット上のあちこちで見るようになりました。ツイッターまとめでは“母娘の呪い”を始め、僕らの人生に巣食っている“呪い”についての考察などが逐一話題となっていました。

なぜ日本人は自己評価が低いのか?

僕たちは、なぜそういった“呪い”にかかっているのでしょうか? 日本人のセルフ・エスティーム(自己評価)が低い原因は、母親が自分で子どもに呪いをかけているからだと言われています。母親は謙遜のつもりで「うちの子なんて」「しょせんこうですから」なんて近所で口にするのですが、子どもにとってはそれが「しょせん僕なんて」という呪いになってしまう。

例えば僕の友人は、子供の頃に母親から「しょせん、お父さんは酒を飲んでばかりで、仕事なんか全然しない」と、ことあるごとに愚痴られていたそうです。それで、本人は父親が働く商社がキライになってしまった。

しかし、ひょんなきっかけで自分も商社で働くようになると、世の中では父親みたいな人たちがすごい成果を出していることを知る。彼は社会人3年めになって初めて、父親を尊敬できるようになったそうです。呪いを解くことを、英語で「unleash(アンリーシュ=鎖を外す)」と言います。この「unleash」は今、世界中のいろんな所で叫ばれています。

母親の呪いはワンオブゼム

予防医学研究者の石川善樹さんから聞いた話ですが、ある調査によれば、クリエイティブな人、イノベーティブな人が育った環境の共通点に、「母親にストレスがない」ということがあるそうです。逆に言えば、母親にストレスがある家庭は、呪いがかかりやすい。

では母親は悪者なのか? そうではないですよね。僕たちが注意して考えなきゃいけないのは、結局、母親も誰かに呪いをかけられているということです。

つまり、お母さん、おばあちゃん、そのまたお母さん…と、自分の命を紡いでくれた血をさかのぼって「unleash」していってあげないと、根本的には治らないのです。そのことに僕らはまず留意しなければならない。

かつ、まずやらなければならないのは、子ども自身が「母親の呪いはワンオブゼム」であることに気付く環境を整えてあげることだと思うのです。子どもと最も長い時間を過ごすお母さんの価値観は、子どもにとって絶対的なものになりやすい。だからこそ、早いうちから世の中には複数の価値観が有り得ることを知らせるべきだし、さらにいえば、複数の価値観から肯定される環境を作るべきなのです。
 

文=尾原和啓

 

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