絵文字が救世主に?
そうした企業を窮地から救うべく登場したのが絵文字だ。
こう言うのは大げさかもしれないが、最近の複数の報告によれば、マーケティング・広告を展開する多くの企業が、モバイルだけでなくメールを使った取り組みの成功率を向上させる手段として、絵文字人気に便乗している。ウェブサイト”Eメールマーケティング・デイリー“のジェス・ネルソンによると「モバイルとeメールマーケティングにおける絵文字の使用率は前年比で775%増加」。さらに「絵文字を含むeメールメッセージはここ数か月で7,000%以上増加し、マーケティングメッセージにおける絵文字の仕様は2016年に入って毎月20%着実に増加している」
人気サンドイッチチェーンのジャージー・マイクス・サブ(Jersey Mike’s Subs)、メイク雑貨のリアルテクニックス・メイクアップツールズ(Real Techniques Makeup Tools)などのブランドと提携している、BDSモバイルの創業者ビル・タオルは、モバイルマーケティングは進化していると指摘する。「近年は写真やビデオの使用が増え、さらにここ数年で絵文字の使用が増えている。絵文字は今や単に楽しいだけのものではない。2015年にはオクスフォード英語辞典が、2015年を象徴する言葉に『嬉し涙』の絵文字を選んだ」
各ブランドは“絵文字マーケティング”を試し始めたところだが、まだそれをどう本格的に展開していくかが分からないのだとタオルは見ている。
「一部の大手ブランドが独自に絵文字キーボードアプリの開発を初めているが、多くのブランドは開発にあまり巨額の投資はできない。そのため商標登録された絵文字を通常の広告やネイティブ広告のコンテンツに使うなどする方法に切り替えている」
大手ブランドがリード
これまでにスターバックスやロレアル、ツイッターやペプシなどの大手ブランドが絵文字マーケティングを本格導入。カーダシアン一家やジャスティン・ビーバーなどポップカルチャーの“重鎮”たちが独自の絵文字アプリをつくり、化粧品大手のロレアルは独自の絵文字キーボードを開発した。