4. 起業家精神に対する供給側の態度
新ブランドの開発とは、欧米諸国の大半では消費者に始まり消費者に終わる、需要の側に立った起業家精神に基づくものにほかならない。これには、大規模な人的・非人的資源の関与を必要とする研究開発への甚大な努力が伴う。こうしたものだからこそ、これら各国のブランドは大きな成功を収めることができるのだ。
しかし、中国ではブランド開発は、豊富な労働力と資金を手にした供給側の起業家精神に基づいている。そこには市場調査や消費者の関与がほとんどない。そのため中国のブランドは、失敗に終わることが多い。
つまり、中国にみられる他国ブランド製品の模倣のまん延は、国内ブランドの発展を抑圧するさまざまな文化的・制度的要素を反映したものなのだ。
文化や制度の変化には時間がかかる。アリババは、模造品の排除に向けた困難な戦いに挑むことになる。