Phab2 Proは今年1月のCESでアナウンスされた。クアルコムのSnapdragon 652チップを搭載し、メモリは4ギガバイト、ディスプレイの解像度は2,560 x 1,440。プロジェクトタンゴ機能の採用に向け、背面に16メガピクセルのカメラを搭載し、深度センサーやモーショントラッキング機能を実装した。
端末の発売に合わせ、グーグルはごくシンプルな計測アプリを用意する。ユーザーはこのアプリを用い、周囲の物体のサイズを計測できる。また、プロジェクトタンゴ機能を採用したシューティングゲームやバーチャルな犬がユーザーを追いかけるゲームもサードパーティからリリースされる。さらに、住宅リフォーム企業のロウズ(Lowe’s)は室内の家具の配置のシミュレーションが可能なアプリをリリースする。
プロジェクトタンゴは3年前に始動し、これまで謎につつまれたプロジェクトとして話題にのぼってきた。クアルコムやインテルは既にこの機能の実現に向けたチップを開発していたが、端末メーカーらは目立った動きを見せていなかった。
グーグルとレノボは2015年初頭からPhab2 Proの開発を始動。レノボで開発の指揮をとった副社長ジェフ・メレディスは「複数のカメラやセンサーを搭載するにあたっては、熱の発生やバッテリーの消費など、様々な課題があった」とインタビューで述べている。
「タンゴのテクノロジーは圧倒的なものです。これは単なるスマホの一機能にとどまらず、私たちの暮らしに溶け込むものになります」とメレディスは語っている。
当面、Phab2 Proはアーリーアダプター向けの製品になるとメレディスは予測する。しかし、同社は今後、タンゴのテクノロジーを他の製品にも導入していくという。
「今回の端末に続き、長期的な視野でプロジェクトタンゴの普及に努めていきます。タンゴはいずれ現在のスマホのGPSのように、広範囲に利用されるテクノロジーになります」とメレディスは語っている。