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Analyzing tech stocks through the prism of cultural change.

カリフォルニア州内で自動運転車の走行を認める法案成立の署名に同席したセルゲイ・ブリン(2012/9/25撮影、Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

組織の再編を行い社名が「アルファベット」に変わっても、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジが設立した事業の中核をいまだに理解していない人は多い。

アルファベットはこれまでもずっと、機械学習の会社だった。依然として売上や収益の大部分を占めているのは広告だが、ブリンとペイジが目指すのは、世界の情報を整理して大きな問題を解決することだ。手始めに彼らは、ネット検索を行う人々が何十億というウェブサイトに隠れているたった1つの情報を見つけるのを、機械学習を使って手助けすることに取り組んだ。そしてユーザーのクリックや共有リンク、ページビューから学習した魅力的な広告プラットフォームを築いた。

2007年にiPhoneが登場すると、同社は外部からの脅威に直面した。モバイルは新しい枠組みだった。モバイルデータから“仲間はずれ”にされないように、アルファベットはアンドロイドを買収し、グーグルのクラウドサービスとの統合を開始した。ディープラーニング(深層学習)研究チームのグーグル・ブレインが開発した神経回路網(人間の脳を模したネットワーク)が、あらゆる類のデータポイントを結びつけるようになった。

1年以内に、アンドロイドのデジタルアシスタントソフトが人それぞれに合った通知を行うようになった。その人に関係のある飛行機の遅延や交通状況、市況などだ。機械学習があらゆるクラウドサービスに組み込まれるようになっていたために、それが可能だった。現在アンドロイドは14億人のユーザーを擁し、世界のモバイル市場の80%以上を占めている。

ブリンとペイジは今も、交通事故による死亡者数やブロードバンド・アクセス、保健科学のような大きな問題を解決すべく取り組みを続けている。実際2009年以降、アルファベットは自動運転車の開発に必要なデータの収集を行っている。

自動車を自立走行させるのに必要なデータ分析の水準と質はとてつもなく高く、ソフトウェア市場だけで2030年までに200億ドル(約2.18兆円)規模に達する可能性がある。2011年にはブロードバンド・インターネット配信に機械学習を導入。遠隔地で自動修正可能なアルゴリズムによってコントロールされる、ネット回線用の気球を飛ばす取り組みに着手した。

編集=森 美歩

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