アナリストらはアルファベットの目標株価をさらに引き上げ、5社の証券会社が1000ドルを突破すると予想している。FactSetによると、アナリスト43人による目標株価の平均は、現時点の株価水準よりも15%高い918.39ドルだという。
グーグルの株価がこの数年上昇してきたのに対し、アップルの時価総額は7000億ドルをピークに急激に減少している。一方、他のビリオネアの状況を見てみると、アマゾンのジェフ・ベゾスとバークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットはいずれも資産額が10億ドル以上減少している。
市場は自動運転車やネット接続された家庭用品(コネクテッド・デバイス)を展開するNestなどの実験的プロジェクトを含む「その他の賭け(Other Bets)」部門の損失に注目していたが、ゴールドマン・サックスのアナリスト、ヘザー・ベリーニによると、実際に話題をさらったのはコアビジネスの堅調さだった。
「業績拡大の最大の要因は、モバイル検索やユーチューブ事業の堅調さ」とベリーニはレポートに記している。2015年におけるコア事業の営業利益は230億ドル(2.7兆円)に達し、「その他の賭け」部門の損失35億ドルに対する投資家の不安を消し去った。
アルファベットの3人のビリオネア、ペイジ、ブリン、シュミットに注目が集まりがちだが、財務戦略を取り仕切るCFOのルース・ポラットの活躍も見逃せない。同社は18億ドルの自社株買いを実施し、前四半期に取締役会が承認した自社株買い枠を37億ドルまで拡大している。
また、ポラットはグーグルCEOのサンダー・ピチャイも参加した電話会議で、より柔軟な財務戦略を展開するために、借入金を各事業部ではなく、持ち株会社のバランスシートに計上することを明らかにした。アップルなどは、米国外に保有する現金を米国内に持ち込むと多額の税金を支払う必要があるため、よりコストの低い借入金を使って自社株買いや投資を行っており、グーグルも同様の手法を取り入れるためと見られる。