2位は米国の次期大統領を目指すヒラリー・クリントン。次いでジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が名を連ねた。
世界のリーダーたちの中に並ぶ女性の数は2005年以降、増加を続けている。米調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、大統領や首相に選ばれる女性の数は昨年までに、倍以上に増えた。今年だけをみても、台湾で女性総統が就任したほか、ミャンマー、ネパール、クロアチア、モーリシャス、リトアニアの各国で女性リーダーが誕生している。
台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統は12位に、韓国の朴槿恵(パク・クネ大統領は17位に入った。
だだ、影響力を及ぼすことができる地位に就く女性の数は、統計からみればまだまだ少ない。女性のキャリア推進を支援するNPO「カタリスト」によると、S&P500指数構成企業の役員に占める女性の割合はわずか4%。幹部・上級職にある女性の割合も、まだ全体の25%にすぎない。
真の「影響力」を再考
リストに挙げられた100人の女性たちの功績は、それだけでも素晴らしいものだ。だが、伝統的に男性優位の業界でトップの地位を確立した女性たちが成し遂げてきたことは、その難しさを考えればさらに特筆に値するものといえる。
ランキングの決定においては今回も、保有資産(または所属企業の収益やGDP)、メディアへの露出度、影響力を持つ分野、活動する分野(メディア、テクノロジー、ビジネス、慈善活動、政治、金融)とそれ以外に対する影響力の4項目について調査・分析を行った。
また、大統領など国のリーダーになる女性が増えたことをうけ、今回は「著名人」のカテゴリーを排除した。
リストの作成に際しては毎回、「女性として有力であるとはどういうことか」を再考させられる。「パワー(力)」は主観的なものにもなり得る。それは、「支配力」なのだろうか、それとも「影響力」なのだろうか?
女性として初のモーリシャス大統領に就任したアミーナ・グリブ・ファキムは、それは後者だと考えている。権力だという人もいるが、そうは思わないという。
「影響を及ぼすことができる、それが“力”があるということだ。後の時代に何かを残し、それによって長期的な影響力を及ぼすことができるかどうか、それこそが本当の力だ」──今回リストに入った女性たちが、後に残る影響力を発揮していることは間違いない。