金融情報の提供などを行うファクトセットの統計値から、フォーブス誌が各CEOの着任日と5月24日時点での株主総利回りを比較したものだ。株主総利回りとは、ここでは前述の期間の株価の増価に金利、キャピタルゲイン、配当や株式分割をプラスして計算したものだ。
もちろん、株価の変動を完全にコントロールすることのできるCEOなどいない。だが企業の業績を評価する上では、これが一番の目安となる。
S&P500構成企業の女性リーダーたちのTSRの中央値は96%で、上下レンジは幅広かった。自動車大手ゼネラル・モーターズのメアリー・バーラがCEOとしての実績が最も悪く、2014年1月の着任以降、TSRは-15.5%を記録している。
2,373%と最も高いのは、医療系施設を専門とするREIT企業Ventasのデブラ・カファーロ。1999年に彼女がCEOに着任した時の同社の株価は、わずか8ドル程度だった。カファーロの次にランクインしたのは、メディア企業TEGNAのグラシア・マートリで、2011年の着任以降、投資家たちに214%のリターンをもたらしている。
11位のスーザン・キャメロンと16位のメグ・ホイットマンの場合は、在任期間が少し複雑だ。キャメロンは2004年から2011年までたばこ大手レイノルズ・アメリカンのCEOを務め、その後2014年5月に2度目のCEO就任を果たしている。彼女については、最も最近の株主総利回り、96%を採用した。
ホイットマンは2011年からコンピューター関連製品大手ヒューレット・パッカードのCEOを務めたが、2015年に同社はエンタープライズ部門とハードウェア部門に分社化され、彼女は2015年10月、新設されたヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)のCEOに着任した。分かりやすさを最優先に、彼女の株主総利回りはHPEのCEO着任以降の-1.12%を採用している。