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A lifetime in the car business, first engineering, now communicating

image credit: Hyperloop Technologie

金属製のチューブの中を、空中浮上式の車両が超高速で走る――これが都市間を結ぶ交通機関の“未来“なのか。

“ハイパーループ“というこの次世代交通機関の構想は、2013年、イーロン・マスクによって初めて公表された。目下開発が進められており、初となるフルスピードでの本格試験走行が年内に予定されている。ハイパーループ・テクノロジーズ(Hyperloop Technologies)のブローガン・バンブローガンCTOが、4月中旬にデトロイトで開催されたSAE(自動車技術者協会)の会議&見本市SAE World Congressで同社の取り組み内容について語った。

ロサンゼルスに本社を置くハイパーループ・テクノロジーズは、マスクが構想を発表した後に開発に名乗りをあげた企業のひとつで、その取り組みはほかの企業よりも進んでいるように見える。同社は現在、ネバダ州の砂漠地帯に全長3kmのテストチューブを建設中。2010年代が終わるまでには世界のどこかで商業化を実現したい考えだが、それまでにはまだ多くの課題が残っている。

ハイパーループの基本前提は、真空状態に近い、全長数百から数千kmの金属製のチューブ内を、乗客を乗せた車両が空中浮上(非接触)で進むという仕組みだ。車両は電磁推進装置を使って加速し、磁気浮上によってチューブの底面に接触することなく、浮いたまま“滑って“進む。チューブ内は超低圧で空気抵抗が最小限に抑えられるため、それ以上の推進力がなくても長距離を走ることができるのだ。だがこのコンセプトを大規模で実現するためには、やることが山ほどあり、多くのエンジニアを必要とする。

バンブローガンがSAE World Congressを訪れたのは、世界最大の交通技術者の集まりで創業15か月の自社の取り組みについて説明し、現在140人の開発チームの増員を図るためだ。彼自身はクライスラーでエンジニアとしてのキャリアをスタートし、カリフォルニアに移り、マスクが設立した宇宙船の開発・製造大手SpaceXで10年以上経験を積んだ。

ハイパーループ・テクノロジーズは、この新型高速交通機関のための基盤技術の開発に重点を置いている。しかし、全てを自社で行うのではなく、パートナーやサプライヤと提携し、それらのシステムに必要なハードやインフラのかなりの部分を提供して貰う考えだ。ハイパーループの優れた特徴の一つは、システムが地上でも地下でも、あるいは水中でも可能だということだ。

この構想はあまりにも斬新だ。そのため最初の商業化は、まずは貨物で信頼性と安全性を証明することに重点が置かれる可能性が高い。それが証明されない限り、乗客はこの新しい交通手段を利用しようとしないだろう。

編集=森 美歩

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