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hxdyl / Shutterstock

スロバキアのブラチスラバからハンガリーのブダペストまでのんびりドナウ川クルーズを楽しむのもいいが、超音速列車がこの2首都をつなぐ日が来るかもしれない。その列車とは「ハイパーループ」。イーロン・マスクが発案した次世代の交通システムで、真空に近いチューブ内を列車が超高速で移動する。

ハイパーループの実現を目指すHTT(ハイパーループ・トランスポテーション・テクノロジーズ)は3月10日、スロバキア政府と合意書に署名したと発表した。フォーブスの取材に対し、政府のイノベーション担当責任者Zuzana Nehajovaも署名について認めている。

HTTのCEOであるDirk Ahlbornは声明を発表し、「スロバキアは、ハイパーループシステムに不可欠な自動車や材料科学、エネルギーなどの産業における技術的なリーダーです。ヨーロッパにハイパーループを作り、スロバキアやヨーロッパ全体におけるコラボレーションやイノベーションを推進します」と述べた。

さらに、「正確なルートとプロジェクトの予算を決定し、官民パートナーシップによる出資を進めていきます。それと並行してオーストリアやハンガリー政府とも協議を進めます」と語った。

時速1,200キロの列車が欧州を縦断

ハイパーループは最高時速1,220キロに達するといわれ、実現すればブラチスラバとウイーン間をわずか8分で結ぶ。ブラチスラバとブダペスト間も10分で結ぶことになる。これは距離の概念を大きく変え、交通に革命をもたらす技術だ。

スロバキアのVazilHudak経済大臣によると、「ハイパーループはヨーロッパで国境を越えた協力体制を推進し、新たなイノベーション・ハブをスロバキアやヨーロッパ各地に作る効果をもたらす」という。

今回の発表はHTTにとって更なる前進を意味する。同社のプロジェクトには、2015年にエンジニアリング・デザイン企業AECOMと真空技術のパイオニアであるエリコンライボルトという重要なパートナーが加わった。

HTTはハイパーループ実現に向けて、5マイル(約8キロ)の試験走行トラックをカリフォルニア州で建設中だ。これはおよそ160億ドル(約1兆8,200億円)をかけて敷設される全長400マイル(約648キロ)のトラックの一部で、2018年までには開通する予定だ。

同社のプロジェクトには現在500人以上が関わっている。彼らのほとんどは、この夢のようなプロジェクトに関わりたいと無償で、もしくはストックオプションと引き換えに協力している。

ハイパーループの実用化に取り組んでいるのはHTTだけではない。ロサンゼルスに拠点を置くハイパーループ・テクノロジーズもラスベガス近郊にテスト・トラックを建設中だ。また、マサチューセッツ工科大学のチームも1月、SpaceXのハイパーループ・デザイン・コンペティションで優勝し、今夏には小規模なプロトタイプの製作を始める。

編集=上田裕資

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