世界最大の食品宅配サイト「フードパンダ(Foodpanda)」CEOのラルフ・ウェンツェルは、「ドローン配達の技術的な課題は数ヶ月には解決される見通しだ」と語った。ウェンツェルによると、マレーシアを本拠とするフードパンダはシンガポール、香港、インド、タイなどの全24地域で、ドローン配達の導入を計画しているという。
フードパンダは2015年後半にシンガポールでドローン配達実験を行い、フードデリバリーへの導入に着手した。アマゾンもドローン配達システムPrime Airを構築しているが、対象は同社サイトで購入した製品に限られる。フードデリバリーにスピードが求められる中、ウェンツェルはドローンが配達時間を20分短縮すると期待する。
シンガポールで配達実験に成功
同社は激しい競争の中でサービスのスピードアップに注力してきた。香港では昨年11月にライバルのDeliverooが平均配達時間32分という実績を武器に参入したのを受け、フードパンダも従来60-70分だった配達時間を30分まで短縮した。ドローン配達が数か月後に本当に実現するなら、フードパンダには力強い援軍となる。
一方Deliverooは先日、CNBCに対し「現状ではドローン配達の計画はないが、業界のトレンドを注視していく」と語った。
フードデリバリーにドローンを活用するために、フードパンダは規制と技術という2つの課題に取り組まなければならない。技術面に関しウェンツェルは「基本的な機能はめどがついたが、テストを重ねる必要がある」と語った。彼は詳細を語らなかったが、バランスや障害物回避、バッテリー容量、積載量が成功の鍵になるだろう。