フォーチュン誌が報じたところによると、4月13日に行われたGameStopの投資家向けイベントにソニー・インタラクティブエンタテインメントでマーケティング担当ヴァイスプレジデントを務めるジョン・コラーが出席し、10月に発売を予定しているプレステVRの実演を行ったという。
店頭でユーザーにVRの威力を体感させる
HTC Viveとオキュラスリフト(Oculus Rift)がリリースされた際、コアなVRファンやメディアは沸き立ったが、VRを体験したことのない人の多くは無関心だった。コラーをはじめとするVRのエバンジェリストらは、「プレステVRは使用して初めてその良さが実感できる。是非とも多くの人に体験してもらいたい」と述べている。
「我々はソニーVRのローンチパートナーとして大々的に宣伝をしていく」とGameStopのトニー・バーテルCOOはフォーチュン誌に語っている。同社は様々なVR機をテストした結果、小さな空間でも楽しめ、セットアップが簡単なプレステVRが一番普及するとの結論に至ったという。バーテルは、6月から12月にかけてかなりの数の店舗でプレステVRの体験版を利用できるようにするとしている。
筆者は個人的にHTC Viveを一番気に入っているが、客観的に見たらGameStopの判断は正しいと言わざるを得ない。VR機が利用できる端末の普及台数を比較すると、プレステVRはPS4の累計販売数が3,600万台以上に達し、競合VR機の約3倍となっている。GPUメーカーのNvidiaの推計によると、HTC Viveやオキュラスリフトを快適に動かすことが可能なスペックのPCは、世界で1300万台もないという。また、プレステの圧倒的なブランド認知度の高さ(HTCの名前は広く知られているが「Vive」は全く新しいブランドで、オキュラスはコンシューマーエレクトロニクスの世界では新参者だ)や、導入費用の安さから、VR戦争の第一ラウンドはソニーが圧勝する可能性が高い。
ソニーとHTCが小売店と組んでプロモーションを進める一方で、オキュラスの取組みは不透明だ。オキュラスも大手小売店とタイアップすることに関心を示してはいるが、具体的な計画についてはまだ何も発表していない。HTC Viveがマイクロソフトストアの30店舗とGameStopの10店舗にデモ機を設置し、GameStopがプレステVRを推奨販売していく中で、オキュラスも早く手を打たなければユーザーはより魅力的で手に入りやすい競合製品に流れてしまうだろう。