ライフスタイル

2016.01.29 10:31

健全な職場のための新常識? 幸福度を高めるキーワード

SFIO CRACHO / shutterstock

SFIO CRACHO / shutterstock

新しい年にも慣れてきたころだ。よりバランスが取れ、物事を全体的に考え、先見の見通しを持って行動する職場を実現するために、今年は何を重視すべきか考えてみるのにいい時期だろう。

米世論調査会社ギャラップの調査によると、同国企業の従業員の70%は職場に感情的なつながりを感じていない。雇用主は職場に健康的な感情価値(職場で共有される快と不快、規範、作為、前提など)を定着させるために、努力する必要がある。職場には常に従業員たちの感情があり、単に身体的な健康だけを優先事項としてはいられないのだ。

そこで、より健康的な職場のために重要な点とみられ始めている物事を、今年「イン」(あり)なものとして紹介する。併せて、これまで奨励されてきたものの、今年は「アウト」な考え方も下段に記した。

イン:ストレス耐性
アウト:ストレス解消

深呼吸をするなど、ストレス解消のための方法はいくつかある。認知行動療法を通じて、私たちはストレスに対応する方法を学ぶことができる。だが、それらはストレスの原因には対処してくれない。私たちには、ただ「落ち着く」ことや「リラックスする」ことが必要なわけではない。

ストレスに対する本当の「解毒剤」は、ストレスへの耐性を付けることだ。重要なのは、ストレスを増幅させる思考をコントロールする能力を持つことだ。

イン:コンパス
アウト:地図

地図は何かがある場所を教えてくれる。コンパスは私たちを導いてくれる。地図が目的地への行き方を指示してくれる一方で、コンパスを使うとき、具体的な進路を決めるのは私たち自身だ。

職場での健康には、個人に合わせたコンパス型の「選択」の文化が必要だ。日常的に決定権を与えられることは、厳格な指針を示すよりも重要だ。何かを奪われていると感じれば、私たちの気持ちは離れる。自ら選択する力を与えられていると思えば、各人の出す結果に対して投資をしてもらったと思える。

エナジー・プロジェクト(Energy Project)の調査によれば、自分の仕事に意義と重要性を見出すことができた従業員は、そうでない従業員より勤続する可能性が3倍以上高くなる。

イン:何かを得る
アウト:そつなく対応

「何とか生きていく」だけでは不十分だ。弱さを感じるのではなく満足感を得ること、基準値を固定せず柔軟に変化させることは、つまり幸福感を得ることだ。今年はこれを目標としたい。

エナジー・プロジェクトによれば、上司が定期的な休息を取るよう勧めてくれることで励まされていると感じれば、勤続の可能性は2倍近くにも増加する。健康で幸福だという感覚を持つ人も、倍に増えるという。

イン:意識と直観力
アウト:知性と知力

価値観を基準としたリーダーシップ、個人の実績、協力する能力を重視する傾向が出始めている。採用基準や報奨の基準になりそうな価値観(技術的な強みではなく)に注目してみよう。

こうした基準を取り入れることは、企業にも利益をもたらす。従業員が勤め先に属しているという非常に高い意識を持っている場合、顧客維持率は18%上昇する。

イン:バランスを取る
アウト:バランス(の取れた状態)

「バランス」は名詞ではない。動詞だ。能動的で、進行中の状態を表す。私たちはただひたすら、バランスが取れた状態を手に入れようと努力することが多い。だが、ソーシャルリクルーティングのジョブバイト(Jobvite)が行った最近の調査によれば、退職理由は「健康上の利益のため」、よりも「より良いワークライフバランスのため」の方が多くなっている。

バランスが取れた状態を求めることは時代遅れだ。自らバランスを取ろうとすることこそ、今年(いや、永遠に)実践していくべきことなのだ。

編集 = 木内涼子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事