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Photo by John Keeble/Getty Images

19歳の頃、ニューヨークに住むマシュー・テジェーダはホームレスのための簡易宿泊所で暮らしていた。そこは4つの二段ベッドがある部屋で7人の男たちが寝起きしていた。世界一物価の高い都市で収入の当てがなく、どこにも行くところが無かった。

ニューヨークで最も繁盛しているスターバックスの店長が救いの神として彼の前に現れたのはそんな時だった。
「ある日、グランドセントラル・ステーションにあるスターバックスの店長、デビー・ドッグナーの面接を受けた。彼を紹介してくれた友人は、デビーに僕がどんな状況にあるかを話しておいてくれた。そのおかげもあって、デビーは僕に思い切ってバリスタをやらせてみようという決断を下したんだ」とテジェーダは語る。店長のドッグナーは彼にとって単なる上司ではなく、彼の人生を導くメンターとなった。

だが、その後も彼は依然としてホームレスだった。ニューヨークの家賃は驚くほど高い。スターバックスのバリスタの給料ではホームレスから抜け出すのは難しかった。賃金が高めでパートタイムの人々にも健康保険や大学の学費を与えているスターバックスだが、1年間、彼はホームレスのままだった。自力でそこから抜け出すのは叶わぬ夢のようにみえた。

「睡眠不足になるのが辛かった。一緒の部屋にいる人たちは時には夜通し騒いでいたりする。僕は朝の4時半にはスターバックスで仕事を始めなければならないのにね。バスルームにこもって壁にもたれながら2、3時間仮眠したこともあったよ」

しかし、テジェーダは半年後にはシフトを管理するポジジョンにつき、その半年後には店長を補佐する役目についた。
「この頃にアパートを探し始めたんだ。昇進すればなんとかやっていけることがわかっていたからね。店長がパートナー同士で助け合うために設けられているCUPファンドについて教えてくれた。給料から少しずつ寄付しておけば、必要な時に最高1000ドルを貸してくれる」
昇給したおかげでアパートの家賃を払えるようになり、引っ越し費用は貯金とCUPファンドからの資金でまかなうことができた。

「アパートで過ごした最初の夜は泣いたよ。安心して眠れる自分の場所を人生で始めて手に入れられたことが嬉しくて。僕に居場所を作ってくれたスターバックスは、僕が自分の家を見つける手助けもしてくれたんだ」

その後、テジェーダはニューヨークで最も来客数の多い店舗の一つに数えられるペンステーション店の店長にまで昇進した。

「スターバックスで働くことで色んなことを学んだ。起業したいという思いが自分の中にあることにも気づいた。それで僕は不動産業界に進むことを決めたんだ。スターバックスを愛してはいるけれど、そこで積めるキャリアには限界がある。不動産業界ならもっと自分の能力を生かせると思ったんだ」

テジェーダは昨年11月、不動産の資格試験に合格。業界大手のコーコラン・グループに職を得た。彼は今、週に40〜50時間コーコランで働き、20時間はスターバックスで働いている。スターバックスは不動産業界で彼が追い求める夢をずっと応援してくれているという。

編集 =速水由美

 

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