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2025.04.24 16:00

「パーソナライズ学習の民主化」が使命、AI家庭教師のインド企業SigIQが14億円調達

Shutterstock.com

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AI家庭教師で、世界の教育の格差を是正すること目指すインドのスタートアップSigIQは4月7日、外部の投資家から950万ドル(約13億6000万円)を新たに調達したと発表した。同社の共同創業者であるカルティケヤ・マンガラムとカート・コイツァーらは、人間の教育者と同等の質のマンツーマン指導を、AIを用いてはるかに低コストで提供できると主張している。

インドでも特に貧しい地域である北部のビハール州で育ったマンガラムは、数々の奨学金を勝ち取って、米国のスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校へと進んだ。その後、グーグルやメタ、OpenAIなどで研究職に就いた彼は、「私は、世界でもトップレベルの場所で、トップレベルの人たちから指導を受ける機会を得てきた。しかし、ほとんどの人はそんな機会を得られない」と述べている。

マンガラムは、AI業界での経験を活かして教育の格差の問題に正面から取り組む決意をした。SigIQが開発したAI家庭教師は、生徒に人間の教師のように寄り添って指導を行うという。同社のAIシステムはまず、生徒の現在の理解度を把握し、強みや弱み、知識のギャップを特定する。次に、それらを克服するための戦略を立て、何をいつ教えるかを決定する。

今回のSigIQのシードラウンドは、米カリフォルニア州のベンチャーキャピタルのThe House Fund と、エドテック分野の投資家として知られるGSV Venturesが共同で主導。さらに、Peak XV(旧セコイア・インド)やDuolingo(デュオリンゴ)に加え複数のエンジェル投資家が参加した。

「SigIQは、単なるEdTechのスタートアップではない。彼らは、世界で最も難しい試験のひとつにおいて、人間や他の商用AIモデルを上回る能力を実際に示すAIシステムを構築した」とDuolingoの初期投資家として知られるThe House Fundのマネージングディレクターのジェレミー・フィアンスは述べている。

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編集=上田裕資

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