人類は絶滅へ向かっているのだろうか? ドードー鳥や恐竜と同じ運命をたどることになるのだろうか?
最終的に我々を絶滅させるものは、隕石や核戦争、あるいは感染症の世界的大流行ではないかもしれない。そして、その終焉は今すぐにやってくるというわけではない。それでも、人類は実際に、地球上で初めて自ら滅びゆく種となる可能性がある。
出生率は数十年の間、世界中で低下を続けている。貧困国、発展途上国、富裕国、すべてがこの現象を経験している。
人口統計学でいう「合計特殊出生率」は、1人の女性が生涯に産む子どもの平均人数だ。安定した人口維持のためには、いわゆる人口置換水準が、女性1人あたり「2.1」でなければならない。この数値を超えると人口は増加する。人類の歴史では、14世紀中頃に起こった黒死病(ペスト)の大流行のような大災害を何度か経験したにもかかわらず、人口は増加を続けてきた。しかし、この人口置換水準が2.1を下回ると、人口は最終的に減少する。これが現在、世界が向かっている方向だ。実際、我々はすでに一線を越えているかもしれないのだ。
2025年現在、世界の人口は82億人を超え、依然として増加を続けている。しかし、国連が発表した2024年版の推計によると、世界人口は2080年代中頃に103億人でピークに達した後、減少を始めると予想されている。だが、人口の減少はそれよりも早く始まるかもしれない。近年、人口統計学者たちは推計を繰り返し下方修正しなければならなくなっているからだ。