出生不足は先進国で最も顕著であり、合計特殊出生率が1.5を下回っている国が多い。韓国では0.7という深刻な数値まで低下している。イタリアの人口は22世紀の初頭に消滅するかもしれない。
日本では出生児数が9年連続で過去最小を更新しており、総務省が発表した「人口推計」によると、2024年(10月1日時点)は、71万7000人の出生児数に対し、死亡者数が160万7000人(出生1人に対し死亡2.24人)と、18年連続で出生児数が死亡者数を下回る「自然減」となった。2023年の合計特殊出生率は全国で1.20だったが、2024年はこれをさらに下回る見込みだ。
米国は長い間、この傾向に抗ってきたが、今はもうそうではなく、合計特殊出生率は1.6まで低下した。先進国の中ではイスラエルだけが堅調な出生児数を維持している。
各国の政府は出生率の低下に気づいており警戒を強めている。過去を振り返れば、何という変化だろう。
近年まで、世間一般における懸念は「人口過多」だった。1798年、地球上にわずか10億人しかいなかった当時、トマス・ロバート・マルサスが著した『人口論』が大きな反響を巻き起こした。マルサスは、人口増加は常に食料供給の増加を上回るため、人類は生活水準の向上を持続できないと警告した。


