タピオカティー・チェーンの創業、人気コメディアンになる、「ケナガマンモス」の復活を目指す──。「ビリオネア・クラブ」の一員になる方法は、いくつもある。だが、そうなるための最も確実な方法は過去11年間、変わっていない。
フォーブスが先ごろ発表した最新の「世界長者番付」(2025年3月7日の株価と為替レートに基づき作成)に名を連ねた保有資産10億ドル以上の「ビリオネア」のうち、最も多かったのは今回も、金融・投資に関わる人たちだった。リストに入った富豪の15%にあたる464人が、この業界で仕事に就いていた。
また、初の番付入りを果たした富豪が最も多かったのも、金融業界で、その数は41人となった。この業界に携わるビリオネアの資産の合計は、前回の番付作成時から約4000億ドル(約57兆円、2025年4月15日の為替レートで換算)増加。総額およそ2兆6000億ドル(約372兆円)となった。
この分野で富を築き、新たにビリオネアとなったのは、ベンチャーキャピタリストのテレジア・ゴウ(保有資産:推定11億ドル、約1570億円)、プライベートエクイティ界の大物アデバヨ・オグンレシ(約22億ドル、約3150億円)、そして2022年に「ブランク・チェック・カンパニー(blank check company)」とも呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)を通じてLGBTQコミュニティ向けのソーシャルネットワーキング・アプリ、Grindr(グラインダー)を上場させたレイモンド・ゼイジ(約12億ドル、約1710億円)など。
一方、この業界で最も裕福な富豪は今回の番付でも依然として、「オマハの賢人」だった。ウォーレン・バフェット(94)の保有資産はおよそ1540億ドル(約22兆円)。率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの株価がさらに上昇したことから、その金額はこの1年で、約210億ドル(約3兆円)増加した。
金融以外の「有利」な業界は?
2番目にビリオネアが多かったのは、テクノロジー関連。ビリオネアの数は、番付全体の13%にあたる401人だった。その中で最も多額を保有するのは、メタのCEO、マーク・ザッカーバーグ(2160億ドル(約30兆円)。資産は前年からおよそ390億ドル(約5兆円)増え、番付では過去最高の2位に付けた。
テクノロジー関連業界でザッカーバーグ以上の富を手にしているビリオネアは、電気自動車メーカーであるテスラのCEO、イーロン・マスク(3420億ドル、約49兆円)のみということになる(番付では、マスクは「自動車業界」のビリオネアに分類)。