SWOTによる観測の向上は、地球のプレートテクトニクスの重要な要素である海底プレート境界に関するより多くの知見を研究者にもたらしている。海底は海嶺に沿って拡大し、地殻プレートを押し開き、沈み込み帯に沿って地球のマントル中にリサイクルされる。SWOTで地図化される地質学的地形の位置と範囲によって、地殻プレートが時間とともにどのように移動してきたかを明らかにすることが可能になる。

また、最新の海底地図は実用的な用途もある。海底の詳細な地形を知ることは、航海術や海底通信ケーブルの敷設などを含むさまざまな海上活動にとって不可欠だ。
研究チームは、SWOTの測定から入手することが期待できる、海底地形関連のほぼすべての情報を抽出した。現在は、今回確認された地形の水深を計算することで、海底地図を精緻化する作業に重点的に取り組んでいる。今回の研究は、船舶搭載型のソナー(水中音波探知機)を用いて海底全体を(できれば)2030年までに地図化を目指す国際的な科学界による取り組みを補完している。
今回の論文「Abyssal marine tectonics from the SWOT mission」は科学誌Scienceに掲載された。
追加資料とインタビューはジェット推進研究所(JPL)とNASAのウェブサイト「Nasa Earth Observatory」から提供された。