ロシア軍はウクライナ東部に50万人超ともみられる兵力を投入し、ウクライナ軍に対して数的に優勢にある。にもかかわらず前進が停滞しているのも、同じ事情が関係している。
ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトの創設者であるTatarigamiは「ロシアは前線の大部分で優位に立っていながら、冬の作戦で限られた戦果しか得られなかった」と指摘している。
もちろん、ロシア軍の比較的装備の整った、言い換えれば運に恵まれた突撃部隊がどこかでわずかな前進を遂げることもある。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)の10日の作戦状況レポートによると、ロシア軍はビロホリウカの南で一定の前進をしている。
だが、全体としては、ウクライナに侵攻しているロシア軍は大規模な攻勢を仕掛けるには装備がますます不十分になっている。また、突撃が成功して局所的な突破口を開いても、それを活用するための装備がやはり十分でない。
かつては世界有数の機械化された軍隊だったロシア軍は、急速に「脱機械化」が進んでいる。