この選挙にかかった費用は両陣営併せて総額9850万ドル(約148億円)余りに上り、ABCニュースによれば史上最も高額な州最高裁選となった。ブレナン司法センターの集計によれば、シメルの支援に約5330万ドル(約80億円)、クロフォードの支援に約4520万ドル(約68億円)が投入された。
マスクは敗北を受け、何を語ったか
マスクは選挙結果に直接言及してはいないが、「長年にわたる左翼の詐欺は司法の腐敗だ」とXに投稿。続いて、共和党のマイク・リー上院議員の個人アカウントから投稿された司法学会に対する不満に、こう返信した。「ええ、長いと言ったのはまさにそのことです。法曹界では20~30年前からこのようなことが起こっている」
選挙に先立ち、ウィスコンシン州の有権者は投票に写真付き身分証明書の提示を義務付ける州法改正を承認し、マスクとトランプはこの結果を歓迎していた。マスクは法案が可決されたことを知らせるアメリカPACのX(ツイッター)投稿を拡散し、「やった!」と書き込んだ。トランプは自身が創設したSNSトゥルース・ソーシャルに「ウィスコンシン州の選挙で、投票者IDが今しがた承認された。民主党はこれに激しく抵抗していたが、おそらく不正をするためだ。これは共和党にとって大きな勝利であり、今夜の最大の勝利かもしれない」と書いていた。
民主党の反応は
オバマはXに「クロフォード判事、そして法の支配を信じ自由を守る判事を選んだウィスコンシン州の人々よ、おめでとう」と投稿。カマラ・ハリス前副大統領もXに次のように書き込んだ。「クロフォード判事の勝利は、ウィスコンシン州で働く人々の勝利だ。彼女は州最高裁判事として、州民すべての権利を擁護し、自由を守り続けるだろう」
クロフォードは勝利宣言で、「チペワフォールズで少女時代を送った私にとって、世界一の富豪を相手取ってウィスコンシン州の正義のために戦うことになるなんて想像もできなかった。そして、私たちは勝利した」と演説。その後「今日、ウィスコンシン州の人々は、民主主義に対する前例のない攻撃を退けた」と語った。