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起業家

2025.04.04 10:30

米飲食業界の革命児「チポトレ」、その創業者が「異端のビリオネア」と呼べる理由

チポトレの創業者のスティーブ・エルズ・2004年撮影(Glen Martin/The Denver Post via Getty Images)

「サンドイッチ」を第2のチポトレに

その後、全米だけでなくカナダやヨーロッパへと店舗を拡大したチポトレの売上高は、2006年の8億2300万ドル(約1233億円)から2017年には45億ドル(約6730億円)にまで上昇した。しかし、エルズは一連の食中毒騒動の責任をとって、2018年にCEOの座をブライアン・ニコルに譲った。ニコルはチポトレの立て直しを成功させ、株価は過去最高を更新した。エルズは2020年まで執行会長として残った後に退任し、取締役会からも去った。

メディアにはあまり登場しないビリオネアとして知られるエルズは、マンハッタンに複数の不動産を購入しており、2021年にはグリニッジ・ヴィレッジのタウンハウスを3000万ドル(約45億円)で購入し、8カ月後に500万ドル(約7億4900万円)の利益を得て売却したと報じられた。

現在、「未来のレストラン」の構築を試みている彼は昨年、Kernel(カーネル)という、調理支援にロボットを使うファストカジュアルの完全ヴィーガン店舗を開業したが、そのメニューは不評だった。エルズは、その路線を変更して、Counter Service(カウンターサービス)と呼ばれるサンドイッチ専門店をマンハッタンに開店し、第2のチポトレを目指している。

7月のウォール・ストリート・ジャーナルのイベントで、同紙の記者は、「あなたは、まったくのゼロから大きなものを生み出してきましたよね?」と問いかけた。エルズはこれに対し、「私は大きなものをひとつ生み出したけれど、それを複数にできるかどうかを見ていてほしい」と答えていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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